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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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悲鳴と悲鳴と悲鳴

「なんでこんな…」

「かわいいからいいじゃん。」

本日はかぼちゃの日、ではなくハロウィンです。毎日のようにお菓子をねだられているのでこれと言って変わらない日常。お菓子を献上してもいたずらをされるのはいつもと違うが。なんでこんな格好をしないといけないんだ、いつまでしないといけないんだ?先生もやってくれるならまだいいんだけど。

「なんでツインテールでこんなかわいい洋服着ないといけないんですか、かわいい洋服が汚れます。」

「汚れないから。せっかくだから猫耳も。」

かわいい洋服様は薄いピンクでフリルがたくさんついているしなんかリボンまでついている。タンスの中からわざわざ発掘された猫耳は1年振りに着用。ハロウィンって撮影会だったのでしょうか。仮装というよりそういうイベントみたいな感じになっている。かわいい服はかわいい子が着るからかわいいのであって私が着ても意味がないのです。こうなったら意地でも先生に着てもらう、先生はかわいいから絶対に似合いすぎるよ。そう私が確信しているのだからきっとかわいいに違いない、私の目に狂いなどない。

「ちょっとまって、これは流石に。」

「かわいいがすぎてしにそう…」

お前の目はやっぱり狂っている、と鋭くなった目が仰っている。なにを言っているんですか、かわいいですよ。そう眼福すぎて頭が溶けそうな人の目は喋る。声を大にして叫びたい、かわいすぎる!全ての仕草がいつもより繊細で儚く散る花のような感じがするしとりあえずかわいいし拗ねたような表情もいい。存在してくれてありがとう。頭がおかしくなりそうなくらいの過剰供給を受けて倒れそう。どんどんいっぱいになっていくフォルダ。そろそろ悲鳴が聞こえてきそうなくらいに連写。誰の悲鳴かって?私でしょ。え、違う?私は幸せすぎて悲鳴。先生は撮られすぎて悲鳴。スマホは容量がなくなって悲鳴。悲鳴のオンパレードだ、ハロウィンらしいな。

「もういいでしょ。」

「もう終わりですか?」

少し残念だがかぼちゃのケーキを食べる先生もかわいいのでなんでもいい。こちらのケーキは塩と砂糖を間違えるところだったのです。ギリギリで気付いて事なきを得た。そんなことは露知らず、黙々と食べ進める私の愛しきお方。

お風呂を沸かしに風呂場に足を踏み入れる。…あ、蜘蛛。シャワーで流してさようなら。私も虫は得意ではないので危うく悲鳴を上げるところだった。もう夜も遅い、叫んだら近所迷惑になる。先生に蜘蛛が居たって言うべきだろうか、先生は虫ダメすぎるからな。

「蜘蛛が居たので一応報告しておきますね。」

「え、無理いやなんだけど。」

先生がお風呂に入っている間、私はなにがあってもいいように脱衣所に待機することになった。なんか、その。背を向けていてもなにか悪いことをしている気分になる。湯船のお湯飲みたいとかもうそんなことは考えていないし考えていたら大問題だししないんだけど。まだ浸かっていないのにのぼせてしまいそうだ。

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