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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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お見通し

外出禁止になったのでちゃんと受験勉強します。仕方がないので。あの日の翌日はハンバーグとか唐揚げとか作って許しを得ようとしたのだけどそんな上手くいくわけもなく。次はないから、と一蹴されて終わりました。でもちゃんと全部食べてくれてうれしかった。受験まで本当に時間がなくなってきて焦るばかり。周りのレベルもどんどん上がっていくしこのままで大丈夫か、という感じ。職員室の常連客になりつつある今日この頃。聞けるときに聞いておけ、そう先生に言われた。私は教えられないからね?とも。

「かーなーえー!」

「どうしました?」

「なにもないけど呼んでみた。」

クッションを持ってゴロゴロしている先生がとりあえずかわいいので写真を撮る。用事がなくても呼んでくれるのは先生くらいなのでうれしいです。本当に先生を大切にしないといけない、そう思う。もしこの関係に終わりが来たとしても私は絶対に忘れない、この日々を。終わらないでほしいけど絶対終わらないとは言い切れない。なにが起きるか分からないのがこの世界。終わらせませんけどね、絶対。

「頑張り過ぎたらまたどっか行きそうだから頑張らなくていいよ。」

「ほどほどにしますね。」

そこは頑張れと言ってほしいところではあるがそれが先生の優しさだ。どっか行きそうだもんね、そうだよね。また信用度が下がってしまった。そろそろ上げられるような行動をしないとだ、どういう行動をすればいいのかさっぱり分からないが。

「そんなに勉強して楽しい?」

「楽しくないです。」

勉強を楽しいと思ったことがない。思えない。やりたくてやっているわけでもないし。どこかの優等生な主人公ではないから。でも先生が居るから、先生みたいな先生になりたいから頑張るしかない。高校だってタダじゃない、大学もタダじゃない。ちゃんとしないとお金が無駄になる。時間もお金も有限だ。しっかりしないと。

「検索履歴つまらない。勉強関連かレシピばっかり。」

気付けばまたスマホを見られている。普通にパスワード解除しないでくれ、なんで知っているんだ。変なものを調べる余裕も今はない。余裕があったら調べるかもしれない、かも。調べないよ別に。もう調べないよ。多分。もう前みたいに買ってはバレて没収とかもなくなったな、これは成長?成長したということにしておこう。遠い昔のように感じるようなこともそんなに昔ではないし何なら最近。この長いようで短い期間、色々ありすぎた。

「なんでパスワード知ってるんですか、教えてないですよね。」

「勘だよ勘。あんまり変えられると困る、当たらなくなる。」

勘で突破しないでくれ、困るのはこっちだ。先生のスマホのパスワードは絶対に当たらないのになんで先生は勘でいけるんだ。不思議だな、先生にはなんでもお見通しなのか。

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