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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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最後の夏休み明け

「ちゃんと行くこと。ちゃんと帰ってくること。分かったね?」

「言われなくても分かってます。」

夏休みはあっという間に去っていきました。今日から学校。最悪。先生に信用されていないことを再確認してお見送り。私が変な行動ばかりをするせいで先生を困らせてしまっている。とてもごめんなさい。学校に行く準備をする。制服に埃を積もらせたままだったことに気付いたがもうどうでもよくなってそのまま着た。ひまわりに水をやって愛でて家を飛び出す。遅刻はしない時間だけど急いで走る。角を曲がって誰かとぶつかるなんてことはない。先生以外とぶつかりたくないです、ぶつかってこないでください。

「早瀬さん、おはよう。」

出た、おばけ。違ったごめん担任か。ちゃんと「おはようございます」って言いましたえらすぎる。目上の人に挨拶をするのは当たり前のことだけど、目上でなくてもするべきだけど。とりあえず学校に行っただけでえらすぎる。自分を自分で褒めるのは大事。

「進路、この学校に決めました。」

「今の早瀬さんなら行けると思うよ。頑張ってね。」

校門で立ち話をして朝から元気な人が集まる教室に入った。進路を決めたはいいものの。不安は拭いきれないし果たして大丈夫なのか心配になる。今からこんな心配をしても仕方がないのだけど。先生みたいな先生に必ず、なにがあってもなる。だから頑張る。騒がしい教室で一人、なにか意気込んでいる人が居たらそれは私です。どうもこんにちは。

「綾音様ー!」

「ただいま。飛びつかなくても逃げないよ。」

いい子にして先生の帰りを待っておりました。玄関が開く音がした瞬間ダッシュで先生のもとに行って飛びついた。おかえりなさい今日もお疲れ様です大好きです。先生の姿を見るだけで笑顔になれるし元気になれる。尻尾がなくてよかった、あったらなんでもバレてしまう。なくてもバレてる?それなら尻尾があったほうがよかったかも。

「録画見返してたらドタバタしてて面白かった。」

「面白くないのでは…」

無数のペットカメラが捉えた私の映像はドタバタしすぎていたらしい。朝は時間がないのです、身支度と準備と家事とかやるべきことが多いのです。埃を積もらせたまま行くくらいには時間がなかった。本当は面倒だっただけ、怠り。全部このカメラたちがずっと私のこと見ているんだよな、すごいな。先生にリアルタイムで見られるんだよな、すごい時代だ。ところで私ってペットですか?先生のペットになれるなら喜んでなります。お手もちゃんとしますよ。

「今日もお疲れ様。」

「綾音様もお疲れ様です、ゆっくり休んでください。」

先生の疲れを癒せるようになにかを習得したいと思っている。マッサージとか練習しようかな、それより先に受験勉強をしろってね、分かっているさ。でも癒やすほうが先かな。

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