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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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ずっと一緒に居たい

「学校消えませんかね。」

「気持ちは分かるけど無理じゃないかな。」

学校が嫌すぎてのたうち回っている。先生になだめられても落ち着くわけもなく。えーん、学校嫌すぎて無理。3学期になったらほとんど行かないんだけどさ、まだ2学期だよ。学校嫌い、行きたくない。受験勉強もしたくない。なにもしたくない生きたくないなにもできない死にたい。メンタル急降下、もう廃人になります。そういえば今年も担任によくある相談窓口の電話番号を渡されてその場でビリビリに破いてしまった。顔合わせたくないな、担任変わってくれ。生きるに決まっているじゃないか、先生と生きるんです私は。偽善とは思わないけどそれに近しい感情を持ってしまう。

「課題ちゃんと終わってるか確認しなよ。」

「一緒に確認してください。」

これで課題終わってなかったら泣くかも。燃やせばどうせ同じだしいいか。よくないか。

「終わってた、よかったー」

とりあえず一安心。あとはカバンにぶち込んでおくだけ。これで丸ごと忘れていったら笑えなさすぎてやばい。ちゃんと事前に、前もって準備はするけど忘れる可能性も十分にある。この私だから。私という人間は本当に信用ゼロなのでね、このペットカメラの数を見てもらえると分かると思いますが。それにしても増えたよな、増え過ぎだよな。そんなに広い部屋なわけでもないのに。実家にもまだ設置されているようです、監視されすぎでは。

「ひまわりみたいに元気出しな。」

「ちょっと無理です。」

うなだれている自分と太陽に向かって生き生きとしているひまわりと。あまりに真逆。水やりは私がしています、先生は忙しいからしてもしなくてもいいよ。暇な私が責任を持って愛でます。こんなに暑いのに元気だな、すごいなと思いながら育てている。水をやっていると後ろでシャッター音が聞こえてくる。やめろとは言えない。私も撮ってしまっているから。それより先生とずっと居たいんですけどなにか手はあるでしょうか。どれだけ探しても見つかることのない答え。

「撮りすぎじゃないですか?」

「そう?」

ずっとシャッター音が聞こえてくるんだけど。好きだね私のこと。そんなことない、とか言っても無駄だよ。好きじゃない人のことなんて撮らないもの。一生一緒なんて叶いやしないしできやしない。分かっているけどずっと隣に居たい。この夏休みは大分長い時間を共に過ごせたけど足りない。なんて言ったら引かれそうだから言わない。胸にとどめておくのがお互いにとっていいこともある。

「見て、撮れた。」

カメラロールに私がずらりと並んでいる。こう見るとなんか恥ずかしいというかうれしいというか。私のスマホもこんな感じだからな、なにも言えない。季節が変わる前に夏の記録も印刷してアルバムに収めておかないとだ。幸せいっぱい溢れる一冊を開くたびににやにやできてしまう。かわいいよ、先生。

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