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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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先生、見つめ合いませんか?!

朗報です、課題が終わりました。外出禁止はもう解けた。これといって外に行く予定はないのだけど。買い出しに行くのはOKだと言われていたから特に問題はなにもなかった。友達居ないし外は暑いしわざわざ出かけたりはしない。おうちに居るのが一番だよね、そうだよね。先生は外に行くほうが好きらしいけど。

「課題終わりました!」

「お疲れ様、頑張ったね。なんかあげるって言ったからこれあげる。」

先生に手渡されたのは爽やかな水色のリボンがついたヘアゴム。かわいい、先生が。ヘアゴムももちろんかわいいよありがとう。先生にもらったものが増えていくと同時に宝物が増えていく。一番の宝物は先生です。誰にも渡しませんから絶対。

「どうですか?」

「いいじゃん、似合ってる。」

部屋着で雰囲気をぶち壊している気もするがヘアゴムに罪はない。罪はこの私にある。別に変な服を着ているわけではない。可愛くないだけ、動きやすさ重視。休みの日はこのゴムで髪を結うことにする。

そういえば先生、覚えているよね?忘れたとか嫌だとか言わないでよね、絶対にこの夏休みに先生を見つめる日を設けるんだ。逃げないでね。

「…本当にやるつもり?」

「やります。そのために頑張ったんですもん。」

嫌そうな顔をする先生。これでは毎日外に行くとか言い出しそうだ。1日中先生と居る日にするか?見つめる時間ももちろん作って、行きたい場所にでも行くか。そうするかー、ずっと先生を見つめていたら頭が溶けるかもしれない。アイスみたいに。

「1日中綾音様と居る日にしたほうがいいですか?」

「どっちにしろ一緒に居たいんでしょ。」

そうですよずっと一緒に居たいです。永遠に一緒がいいです。でもそんなことは先生も周りも許してくれないのでこういう日を作るしかないんだ。ずっと一緒に居られる日なんてほとんどないから居られるときに居ないと。勉強を頑張るためにも先生を見つめたいのです。頑張らなくても見つめます。

「お盆のどこか1日ならいいよ。学校ないから。」

「ありがとうございます。」

土下座をする勢いで感謝。本当にありがとう絶対断ると思っていたからうれしすぎる。先生がなんか子犬みたいな顔して見つめてきたのがきっかけなんだけども。だから断れてもめげずに付け回していたことだろう。それを見越して仕方なく受け入れてくれたんだねありがとう。先生を1日拝める日ができたー、やった。これで夏を生き延びられるかもしれない。勉強頑張る、周りに負けないくらい、劣らないくらい。それを超えるくらい。

「私も叶を見つめる日があってもいいよね。」

「え、はい。」

私まで見つめられることになりました。茹だるような夏になることが決定、もうすでに茹だってきているけど。見つめ合う2日間に向けて耐性をつけておくべきだろうか。耐性もなにも要らないか、もう手遅れだな。この夏も生きて幸せになる。必ず。

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