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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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ゴミ

休みがあっという間に終わってしまう悲しさに浸る。でも今月は修学旅行があるから休みがまだある。行かないからゆっくりゴロゴロして勉強でもしようかと思ったり。行けばいいのに、そう言われても行きたくないから意思が揺らぐことはない。絶対に。久しぶりに開いたネットのサイトを見ながら時代の流れを感じている。あの頃はよく見ていたけど今は全然開く気にもならない。それが大人になるということ?なんか違うか。時間の流れとともに興味も別のものへ移り変わる。それが人生、なのかな。今の興味は言わなくても分かるだろう、もちろん先生だ。先生にしか興味がない。あぁ、履歴を消しておかないと。このサイトからログアウトすれば見られることはないだろうが見られたらちょっと困る。過去の自分がなんか書いているから。

「5月ってこんなに暑かったっけ?」

「毎日暑いですね、夏生きていけない…」

最近あまりに暑くて嫌になる。5月はちょっと暑いくらいだった気がするけど今は違うらしい。暑い。もう夏なのかもしれない。これでは真夏を生きるどころか死んでしまう気がする。

「ゴミ箱に進路調査の紙あったよ。」

「なんで掘り出したんですか。」

サイトより見られたくないかもしれない捨てた紙切れ。なにも書いていないから別に見られて困ることはないけれど。書いていても困らないけど。ぐしゃぐしゃに丸めているから見られたくなかった。先生は先生だからね、こういうことをすると怒られる。

「いくら嫌だからって捨てたら駄目。捨ててもまたこの紙渡されるだけだよ。」

「はい。」

ぐしゃぐしゃの紙を広げて進学に丸を書いておく。行きたい大学先は別にないけど教育学部がある学校名を書いておこう。去年オープンキャンパスに行こうとして迷子になったところ。今年も多分迷子になるだろうし入試も迷子になると思っている。自分のことを過信してはいけない。

「ちゃんと提出すること、いいね。」

「わかってます。」

ちゃんとファイルに入れて明日提出します、期限も明日までだし。ギリギリセーフ、ということで。きっと提出するときに担任にも怒られるだろう。もっと大切にしろ、と。将来を大切になんてできるわけがない。1秒先のことを考えることもできないのに。

「隠し事しても無駄だから。」

「綾音様には全部バレますね…」

他にもなんかバレていないだろうか、なんか不安だ。別になにも隠していないけどさ、隠しているわけではないけどさ。知られたくないことは山ほどある。チリツモでどんどん溜まっていく。

「ゴミじゃないものは捨てないこと。」

「はい。」

自分にとってはゴミでしかないけどゴミではないらしい。これから進路調査の紙は学校で処分しようかな。それならバレないだろうし。

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