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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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先生には全部バレる

ぽかぽか陽気が続くと眠くなってくる。いつも眠いけど。またビルの屋上でぽかぽか日向ぼっこ中。先生に怒られるかもしれないけどやっぱりここがお気に入りスポット。英単語帳を見ながらうとうとしながら。ゆっくり時間が経っていくようであっという間に経っていく。そろそろ帰らないとな。そう思いながら少しだけフェンスの近くに寄ってみる。高すぎて怖い、ここから落ちるの怖い。やっぱり死ぬのは怖い。さっさと帰ろう。

「また屋上行ってたね?」

スマホの電源は切っていたはずのになんでバレているんだろう。どこかにGPS仕込まれてる?日頃の行いが悪すぎてずっと監視されているらしい。先生にならずっと見られていたい。それはそれで異常なのかな。普通の人間ではないからなんでもいいか。

「別に日向ぼっこしていただけです。」

「屋上じゃなくてもいいでしょ。」

このやり取りも何回目になるだろう。私の行動はそんな簡単には変わらない。変わってもまたもとに戻っている。それが私だ。先生が言っていることも分かる。私の行動が危険すぎるからそう言われていることくらい分かっている。多分このやり取り、先生が実家に来た次の日とかからしてるよね。そろそろ別の場所探すか…

「そんなことどうでもいいじゃないですか、いつものことですし。」

「いつもだからどうでもよくないんだけど。」

よし、折れよう。このまま言い合っても意味がない。もう行かない、は嘘になる気がするけどとりあえずそう言っておく。喧嘩はしたくない。

「そういえばこのグシャグシャの紙、どうするの?」

ゴミ箱に捨てたはずの修学旅行の案内。もちろん行くわけがないのでね、捨てました。なんで先生に拾われてるんだ、なんでゴミ箱から見つけたんだ。

「行かないから要らないかと。」

「行けばいいのに。」

「本気で言ってます?」

友達ゼロ、誰とも話したくない。知らない誰かと一緒の部屋に泊まる。家から離れたところに行く。全て嫌なんだ。私にとっていいことがなにひとつない。学校の先生はみんなで行ったほうが〜とか言うだろうがそんなの立場上仕方なく言っているだけ。誰かが居なくたって、私が居なくたって楽しんで行くんだから。

「まぁ、そうだよね。行くわけないか。」

「そうです、行きません。」

修学旅行に行くより先生と居るほうがいいんだもん。絶対先生と居るほうが楽しいし幸せだし学びもあるし。たかが学校の行事、行きたくないなら行かないでいいだろう。行かなくても生きていける。行かないほうが生きられる?かもしれない。

「代わりにどこか行くか。」

「綾音様とならどこでも行きます。」

修学旅行なんかより先生とどこか行くほうが楽しいに決まっている。世界の果てでもついていくからね、どこでも行くよ。先生とならどこでも行ける。

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