たかが数字
え?テストの点数?そんなことどうでもいいよね。
「なんでまた破ってるの?」
「たかが数字だし。」
たかが数字だ。この数字が私の気持ちも知らないで心を抉ってくるんだ。だから破いて捨てた、ただそれだけのこと。なにも問題などない。…問題だから怒られているんだけどさ、別に悪いこととかしてないし。
「まぁいいよ。頑張っていたのは知ってるから。」
あの後、結構頑張って勉強していた。一応ちゃんとしたんだよ、えらいでしょ。分からない問題が多すぎて死にたくなるけど分からないなりに解いた。間違いのほうが多いから死にたくなるけど。でもやりました、えらいよね?褒めてくれていいよ、そこの君。
「でも本当に成績上がったよね。あんなに酷い成績で話題だったのに。」
「それはもう忘れてください…自分でもあれは酷かったとは思います。」
過去の私は勉強をやれるほどの気力がなかった。どうせこのまま死ぬんだし勉強なんてしなくてもいいか、意味ないか、と思っていたせいで成績がこれでもかというくらいに悪かった。特に数学は赤点連発しすぎて自分でもやばいなーと思いながら無視。元々そういう人間でした。勉強している今のほうが頭おかしい。
「もうすぐ3年生だし。早いな〜」
「早すぎます、綾音様を好きになって4年経ちましたよ。」
「え、ずっと好きだったの?面白い子だな。」
なにも面白くない、なにが面白いのさ。ずっと好きでしたし好きですけどなにか問題でもありますか?(ある)こんなに素敵な今があるのだから好きになってよかったって思う。出会えてよかったしいつもぼっちでよかった。
「で、友達はできた?」
「できるわけないです。作りません。」
もうこのままぼっちを続行しようと思います。友達の作り方なんて調べても分からないし料理みたいに完成!とかないし。人間関係とか難しすぎるし。先生以外と関わりたくない、関わらないといけないときだけでいい。
「私以外にも話せる人作ってもいいんだよ、作れないことは分かってるけどさ。」
分かっているなら聞かないでいいし言わないでいいよ。先生が一番よく分かっているはずだ。誰とも話さない、友達居ない、いつもぼっちで2人組みを作るときはいつも余るということを。そういえば誰かが休みの日の体育は2人組になることがなかった気がする。偶数人のときはなくて奇数人だとある…先生なりの配慮だろうか、今気付いたのはちょっと遅すぎたな。
「綾音様は友達多かったですか?」
「え、どうだろう。多くはないけど居たよ、叶と違って。」
最後の一言は余計だ。先生の友達が羨ましいな。私の知らない先生をたくさん見ていただろうし知っているのだろう。でも先生の友達が知らないことを私は知っている、比べても仕方がないけど勝った(?)テストも終わったしあとは先生をたくさん見つめよう、私は先生が居ればなんでもいい。




