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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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本命

バレンタイン前日、未だになにを作るか決めていない。…今更だけどホワイトデーもらってない気がするな。毎日幸せをもらいすぎているからいいんだけどね。先生にチョコをもらったら多分食べずに飾っていると思う。それはそれで問題だからやっぱりあげる側のほうが向いているのだろう。あ、でも粉々になったクッキーを食べた記憶が少しある。

百均で買ってきた型に溶かしたチョコを流し込んで固める、これでいいか。ネットを見るとみんなすごくキラキラしたものを作っているが私にはできない。残念だが無理だ。簡単です!と言われても難しいじゃないか、と思う。私にとっては簡単ではないのだ。溶かして固めてなんかいい感じになった?気がする。ラッピングして明日渡しましょう。

「バレンタインなのでチョコあげます。」

「ありがとう。」

もちろん本命です。先生以外にチョコはあげません。友達も居ないから友チョコだとか義理チョコだとかできないんですよ、居てもあげないけどね。先生にあげたいから作っているだけだ。他の人間には絶対にあげないし作らないと決めている。

「美味しいよ。」

そう言ってくれるのは嬉しいけどただ溶かして固めただけなんだよなー、なんかごめん。来年はもうちょっと頑張って作れるようにする。でも大学入試真っ最中かもしれないな、そんなことしていられないかもしれない。勉強から逃げるために作っているような気もする。

「お礼に学年末の問題でも解いてみる?」

「え、絶対分からない…」

なにがお礼なのか意味が分からない。先生がテストを作っているところはよく見ているがこの2年解いていない。体育のテスト嫌いなんだよな、筆記も実技もダメダメだ。問題に目を通してみる。なにも分からないしやっぱり100問ある。全部記号で答えろ、だから適当に答えても何かしらは当たるかも。頭を抱えながら解く。これ絶対お礼じゃないし私もいい加減勉強しないとやばい。

「半分取れてるね、記憶の中ではもっと酷い点数を取っていたような。」

「全然分かってないのでただのまぐれです…やっぱり保体は苦手です。」

先生のことが好きでも保体はどうしても好きになれない。勉強しよう、とは思うけどなにも頭に入ってこない。体育の教科書って謎に分厚いしやる気もなんかなくなる。先生が作るテストで50点以上取れたのはこれが初めてではないだろうか。それくらいには苦手な教科だ。

「頭使った後は甘いものじゃない?」

そう言って先生にチョコを渡された。個包装のよくあるチョコ。え?これ本命かな?わーい、ありがたく頂戴します。

「さっさと食べなよ。」

なんか食べたくなくて飾りたいとまで思っていたら急かされてしまった。まぁ、いつまでも取っておくわけにはいかないし食べよう。

「美味しいです。」

「そうだろうね、既製品だもん。」

いやいや、先生がくれたから美味しいんだよ。この包装取っておこうかな、ちゃんと洗ったら虫も寄ってこないだろうし。取っておいたら先生に捨てられるかな。写真に納めておくか…

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