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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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十七

わー、えー、17歳?信じられないけどなってしまったらしい。嫌なわけではないけどここまで生きられるとは思っていなかった。明日を生き延びられるかも分からなかった頃の自分がこの事実を知ったら腰を抜かすと思う、本当に。先生に「今日くらい家事しなくていいよ」と言われた。ありがたいですねー、でも明日やらないといけないことが増える。でもいいよね、先生にそう言ってもらったから家事サボります。

「叶、誕生日おめでとう。」

「ありがとうございます!」

少し照れくさそうにお祝いしてくれる先生がかわいくて尊死。先生がお祝いしてくれる、こんなに幸せなイベントって他にないですよ。もう幸せすぎて空も飛べそうだ。何なら宇宙まで行けるかもしれない。ずっと地球に居るけどね、先生の隣にずっと居るよ。

「なにがいいか分からなかったからオードブル買ってきた。」

先生が好きそうなものがたくさん詰まっていて美味しそうだ。自分ではこんないっぺんに作れないからね、すごいなと思う(語彙力)

「叶が作るほうが美味しい気がする…」

え、本当に?それは嬉しい。お店に勝てた。先生のために作っているからね、絶対誰にも負けないくらいの愛情を注いでいるから美味しいんだよ。自画自賛しながら食べる。

「綾音様が作るほうが美味しいかもしれませんよ。」

「それはない、真っ黒になる。」

想像できてしまうのが嫌だ。台所も真っ黒になっていそう…自分も揚げ物は得意ではないけど真っ黒にはまだなっていない。これからなるかもしれない。もしそうなったら報告するね。

「ケーキも買ってきたから。」

なんだか去年より恥ずかしそうにするね?かわいいね、全ての仕草と言動がかわいい。いちごのショートケーキは春の味がした。もう2月、もうすぐ春が来てしまうな。甘くて美味しい。先生がくれたから余計に幸せと美味しさが倍増しているように思う。

「美味しいです、ありがとうございます。」

「それならよかった。プレゼントもあげる、要らないならもらう。」

「要るに決まってますよね、要らないわけないですよ。」

絶対に要る、誰が先生からの素敵なプレゼントを要らないって言うんだ。しっかり受け取って中身を開けてみましょう。

「ハンドクリーム嬉しいです、手荒れ酷すぎて困ってました。」

「もうちょっと早くあげるべきだったね。これもあげる。」

よし、開けよう。なんか気合いを入れないと開けられない。特に理由はないけど。

「リングホルダーだよ。家事とか学校とか着けられないとき用に。」

「これでいつでも身に着けられますね。」

早速去年もらった指輪につけてみる。かわいい、なんか進化した気がする。夏に買ってもらったネックレスと一緒につけてもかわいいだろうな。先生にたくさん幸せをもらったので17歳も頑張れる。頑張る。本当にありがとう、今年もずっと大好きだよ。

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