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KASUMUXing.
別れるには遅すぎたかな
雨音が言葉をさらっていく
霞かかる踏み切りの向こう側
見えなくなった背中に手を振った
思い返してみれば
一緒にいた時間は短かった
それでも長いこと一緒にいたみたいに
思い出が空いた手をつなぐ
それから歩いた帰り道
悲しくはないけど寂しくて
ふと振り返る先の景色
あの頃の影が佇んでいた
恋とか愛とか分からないけど
きっとこれは君にだけに向けた思い
言葉にすら出来なかった後悔が
今さら僕の背中を押した
出会うには遅すぎたかな
梅雨の温かさが雫を拭う
通り過ぎた景色から目を反らして
生きようなんて思うのはきっと弱いから
思い出していく
君といた時間の数を数えて
もう少し居たかったよと嘘をついて
本当の気持ちを忘れてしまえば
楽になれると思ったのに
恋とか愛とか知らないけど
きっとこれは君だけに伝えたかった
一言にすら口に出せなかった記憶が
今さら僕の肩を叩いた
春が枯れて薫風が塗り替えて
道端に落ちた景色を足で踏む
いつまでも降り続ける雨色が
ちょっとだけ羨ましく思えたから
恋とか愛とか今さらだよね
君に一言いえていたならと
霞の向こう側に消えた思いに
今さら手を伸ばそうとした
振り向いた先には踏み切りもない
後悔が今さら僕の背中を押した




