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エイエンノハナシ「悠久に潰えて」

 

目をつむることが怖かった

一瞬で世界が変わってしまうようで

そこに一人だけ取り残されるようで

ただただ暗闇が怖かった


長い年月も過ぎてしまえば

いつかは石となる

目の前に座する墓標

思い出も何もかも投げ出してしまえば

怖がらずに済むのだろうか?


夜が明けて朝が来る

あたりまえを繰り返すこと

時間を潰すために生きている

世界の移り変わりに取り残されて

記憶の中に埋もれていく

寂れた景色も何もない

気が付けば日常が目の前にあった


昔のことも掠れて

今も薄れていく

声だけは確かにあるのに

まるで幽霊のように

建物の影に隠れている


夢見た理想も叶わなくて

永遠に残った代償を払い続ける

希望もない絶望も飽きた

ただ掠れた心が潰れていく

代わり映えの毎日が

あのとき幸せだと気付けたら


一人

ただ一人

一人だけの時間が過ぎていく

誰かの影が通り過ぎていく

肩を掴もうともすり抜けて

暗闇が後ろから手招いている


向こうに行こうか

ぼんやりと足跡をなぞる

また同じ過ちを犯すのかと

過去の声に止められる

終わらない時間の中で

ただ手を伸ばした

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