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Grave of flower language.3."A story to see the ruins of light."

 

暗闇を掴む 空から星が流れ落ちる

星の雨は届かずに 山の彼方へ消えていく

流星雨のように私も流れていく


雨の行く先 名前が消えたゲート

明かりに写された廃れた街灯

無機質に並ぶ建物は

世界の終わりを描いているようだった

音を立てて開く扉

積もった年月が崩れ落ちて行く


影が伸びる 闇が座る

天頂の穴から光が降り注ぐ

あの日見たよう夢のように

椅子に座る(むかし)が手を招く

私はその手を取った


羽根を休める 擦り切れた外套を撫でる

暗闇に沈む影が笑みを浮かべる

束の間の安息 私はため息を吐いて

天井の穴を見上げて呟く

その問いに問うものがいた

月影から出てくる少女 疎いの表情を浮かべて


あなたは誰? 少女の目が悪魔を見た

破れた衣を羽織り まるで暗闇を待つ亡霊

何に見える? 私は擦り切れた外套を広げる

既に飛べることも出来ない羽根を少女は見つめた

悪魔さんだと 会いに来てくれたんだねと


暗闇が晴れて 少女は夢を見る

星の明かりに照らされる影の如く

おとぎ話を語るのだ

まるで待ちわびていたが如く


それは悪魔が天使に化けた物語

それはいつか聞いた物語

あなたはその悪魔 私はあなたを待っていた

少女は目を輝かせた


問うにも言葉にはならず

ただ時間の流れるままに

流星は沈み 静寂がざわめく

気が付けば少女は膝に座り

天頂の穴を見上げる


私はあそこに行きたいんだと

星屑の迷路をなぞっていく

いつか辿り着ければいいね

私が笑みを浮かべたとき

少女も目を閉じて笑みを浮かべていた

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