Worthless
ペン先を圧し折ってまで
作り上げた物に意味はあったのか
口にした途端
彼らは折れたペンを夢に向けた
まるで言葉を搔き消すように本を貫いた
姿のない物に価値はないと
傷だらけの手で口元を隠す
なんて無様なのだろう
積み上がった本に火をつけて
その上に絵画を飾る
筆先を潰してまで
書き上げた物に価値はあったのか
言葉にした途端
彼らは潰れた筆先を現実に向ける
まるで想像を否定するように絵画を突き刺す
姿しかない物に意味はないと
傷だらけの手で目を隠す
なんて無様なのだろう
積み重なった絵画に火を焚いて
その上に本を仕舞う
なぜ彼らはそこまで互いを否定して
一人しか肯定しないのだろうか
折れたペン先を向けて
潰れた筆先を向けて
虚構と虚構を否定し合う
そこに何の違いがあるのか
所詮は互いに気がつかない亡者である
描き上げた物は流行り物
書き上げた物は流行り物
そこに何の違いがあるのだろうか
違いなどないはずである
しかしそれでも否定し合う
なんて愚かなことだろう
創作という括りの中で
交わるはずのものが溶けていく
両方虚構であるはずなのに否定し合う
結果的に残ったのはただの残骸
ああ なんて なんて
無意味なことだろうか




