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無価値なもの
成功とか
名声とか
私には関係ない
私はなれないのだ
大勢が望む存在に
英雄の冒険譚など書けない
名探偵の推理など書けない
私は大勢の人が望むものを
創作することなど出来ない
私に書けるのはありきたりな詩だ
ただあたりまえを綴り
ありふれたことを書けるだけだ
それは大勢の人にとって
忘却されるだけのものである
それは無価値なものだ
ただ自分を潤すためのもの
それは無意味なものだ
ただ書かれるだけのもの
一体誰が読むのだろうか
一体誰が知っているのだろうか
この無価値なものを
きっと覚えている人いないだろう
そのように世界は出来ている
しかし私は悲観しない
私がそのように出来ているのだから
私が書いているものは無意味である
万人に届くことのない言葉
しかしそれでも無価値なものだと
私は思うのだ




