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「この話はこの辺にしませんか? ……万里華さんの話も聞きたいですし、なにより、ユーマさんがどうして保育士を目指すようになったのかも知りたいです!」

 その発言に驚いた顔を見せた優真だったが、気をつかわせてしまったことに気付いた。


「……俺の話なんかより、シルヴィはどうなんだ? 心配事の一つくらいないのか?」

「私の……ですか?」

「そうそう。俺に対する不満でもいいぞ? 靴下を丸めたまま出すとか、紙を服のポケットに入れたまんまにするな~とか、やっぱり一緒に生活していると相手の男に不満が出るだろ?」

 暗くなった雰囲気を頑張って明るくしようとそんな例を出してみるが、自分がちゃんとしているか心配になってくるので、是非とも無言はやめて欲しい。

「……ユーマさんに……ですか……。今は特に思うことは無いですね。強いて言うなら、怪我をしないで欲しいです」

(……女神かよっ!! うちの女神様なんかよりよっぽど女神に見えるよ!!)

『…………優真君、眷族筆頭が他の女神を信仰するのは罰する対象だかんね! 覚悟しとけよ! この浮気野郎!!』

(…………だからさ~……人の心を勝手に覗くなや!)


「後はそうですね~……やっぱり何でもありません!」

 女神と謎の論争を繰り広げようとしていると、シルヴィは笑顔を作ってそう言ってきた。ただ、優真は見逃さなかった。

 彼女は、自分のポケットをさすったのだ。そこは微かに膨らんでおり、何かが入っているのがうかがえる。

「そのポッケになんか心配事の種が入ってんの?」

 そう聞くと、シルヴィは黙りこんでしまった。


 やがて、シルヴィは決心したように一つの手帳をポケットから取り出し、俺に渡してきた。

「これは?」

「母からの手記……だそうです。キョウさんが『救世の使徒』を辞めると仰った日、バートラム博士からいただきました……」

 

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