28-18
(また……この夢か……)
目の前に広がる光景を見て、優真はそう感じた。
燃え盛る炎に焼かれた部屋を這いずる少年。
少年の足には案の定、怪我をした痕があり、進むにつれ、流れ落ちた血が床についている。
どうにかしたいが、俺にはどうすることも出来ない。
俺には見ていることしか出来ない。そう思った時だった。
その子どもにいきなり燃えた棚が倒れてきて、子どもが潰されそうになった。
その光景を見ているだけなんて、俺には出来ず、咄嗟に体が動いた。
前回はそんな体は俺にはなく、ただ見守ることしか出来なかった。それなのに体がある。
よくわからないがちょうど良かった。
俺はその子どもを抱き抱えてその棚を避けようと思った。
だが、体は俺が思ったとおりには動いてくれなかった。
いつもとは違い、体がそこにあるだけで全然思い通りにならない。
その体は、目の前にいた子どもを抱き抱えて、棚の下敷きになった。
子どもに怪我はない。
見えないが俺はそれを知っている。
そして、俺の視界は子どもの位置からになり、倒れてきた棚から子どもを守った人物の顔が見えた。
何年も見ていない。だが、見間違いようがない。
(……父さん……っ!!)
◆ ◆ ◆
目が覚めた時、そこは既に燃えた家の中ではなかった。
父さんの代わりに映ったのは心配そうにこちらを見ているシルヴィだった。
「……シルヴィ? ……どうしたの? ……そんな泣きそうな顔してさ……」
彼女の目から雫が垂れてきて俺の頬に落ちる。寝転がったままの俺は、よくわからないまま彼女の頬にそっと右手で触れ、指で彼女の涙を拭った。
「……ユーマさんの方こそ大丈夫なんですか? すっごくうなされてて何度揺すっても、声をかけても起きないし……ユーマさんが苦しんでる姿を見てたら……」
再び流れ出た涙を自分の腕で拭うシルヴィを見て、なんだか申し訳ない気持ちになった俺は寝ていた体を起こしてベッドに座った。
「……そっか……ごめんね、心配かけて……ちょっと夢を見てたんだ……」
「夢……ですか?」
「うん、父さんの夢……こんな夢、日本にいた頃は見る機会なんてなかったのに……どうして今頃になって……」
「聞かせてもらえませんか?」
「……えっ?」
「ユーマさんのこと……もっと知りたいんです。ユーマさんのお父様がどのような方だったのか……差し支えなければ教えてはいただけないでしょうか?」
そのシルヴィの言葉に俺は硬直してしまった。
総PV数が250000越えましたこと、ここで感謝申し上げます。まさかここまで多くの方に読んでいただけるとは、当初は考えてもおりませんでした。これからもどうか当作品をよろしくお願いいたします。




