25-6
いきなり開かれた扉から、露天風呂に一人の少女が入ってきた。
「ゆ……ユウマ様!? こんなところで何してらっしゃるのですか!?」
華奢な身体をタオルで隠しているユリスティナが、俺とシェスカの姿を見て、驚いたような声をあげる。そして、次の瞬間ーー
「ユリスティナちゃん! 温泉でタオル巻くのは駄目なんだぞ~!!」
その声と共に出てきた万里華が、ユリスティナの体を包んでいたタオルをはいだ。
直後、少女のみずみずしい裸体を晒してしまい、頬を赤く染めたユリスティナが可愛いらしい悲鳴をあげた。
「あっ……いたんだ優真……ごめんね、ユリスティナちゃん」
「うぅ……もうお嫁に行けません……」
胸を抱えてしゃがみ込んだユリスティナが今にも泣きそうな声でそう呟くのが、こちらまで聞こえてくる。
「大丈夫だよユリスティナちゃん! 優真がお嫁さんにしてくれるよ! ねっ優真!」
いきなり振られて戸惑いながら、俺はしゃがんでいるユリスティナの方に視線を向けた。
(……だから、その潤んだ瞳で見るのはずるいよ……)
「ユリスティナ、お前は俺の婚約者なんだからそんな心配するだけ無駄だ。……だから泣くな」
「は……はい……」
よく分かんないが、ユリスティナの嬉しそうな表情から察するに、しっかりと答えられたみたいだ。
「それより万里華……お前はもう少し恥じらいを持て。俺がいるってわかっても前を隠さないのは女性としてどうよ?」
「えー、だって今更優真に裸隠すの躊躇うのもなー。だいたい昔は簡単に裸見せあってたじゃん?」
「小学生の頃な」
「それに温泉だよ! 約6年ぶりの温泉なんだよ! タオル巻くなんて邪道だよ!」
「はぁ……とりあえず、シェスカはこれで洗うの終わりだから、もう温泉行っていいぞ?」
「わ~い!」
温泉の方に走っていくシェスカを見送り、座っていた俺は立ち上がる。
「とりあえず俺は上がるから、ユリスティナと万里華はシェスカ達を見ていてくれないか? 溺れたりしたら大変だからさ」
「わ……わかり……!?」
了承の発言をしようとしていたユリスティナの口に手を当てたのは、にやつき始めた万里華だった。
「あれ~? 優真君って~保育士目指すとか言いながら、自分が任されていた6歳の子どもを他の人に任せて自分は部屋でゆっくり寛ぐの~?」
「いや……俺がいるのは色々と問題があるだろ?」
「いやないでしょ。混浴に男女で入って問題があるなんて聞いたことないよ?」
何かを企んでいるであろう万里華を見て、俺は露骨に溜め息をついてしまう。
「はぁ……本音を言えよ……」
「シルヴィちゃんやハナさんと温泉入ったんでしょ? 私も優真と一緒に温泉入りたい」
「ぶっちゃけすぎ……」
「今更本心隠してもいいことないし、別にいいでしょ?」
「いや、ユリスティナは明らかに嫌そうじゃん」
「いえ、わたくしも大丈夫です! わたくしだけユウマ様と温泉に入ってないなんて嫌です!」
「…………まじかよ……俺、理性保てるかなぁ……」




