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「ごくらく、ごくらく~」
久しぶりの温泉を堪能する俺は、相変わらず良くわからないこの光景を見ながら、寛いでいた。
この温泉の風景は四季折々の景色を見せてくれるこの世に一つしかない温泉なのだ。
もはや桜と紅葉が一緒にあっても、驚きはしない。むしろ、面白いからこういうのもありだと思えてくる。しかも、ハナさんの趣向なのか彩りがとても綺麗なのだ。
そんな温泉を貸し切りみたいな感じで使えることに今は幸せを感じる。
「お兄さん、超気持ちよさそ~」
温泉で寛いでいる俺のもとに、肩まで湯船に浸かったファルナが近付いてきた。
「ま~な、お風呂に入るのが久々だからか、超気持ち良いな。ファルナはどうだ?」
「僕も気持ちいいよ!」
そう言ったファルナはいきなり首に腕を回して抱きついてくる。もちろん温泉のため、衣服やタオルの類いは着けていない。要するに、裸の状態で抱きついてきている訳で、普段はあんまり気にしていない俺でもさすがに慌ててしまった。
初めて会った頃は、細身の身体をガリガリにしていたというのに、今ではその大食らいな性格も相まって、すっかり肉がついてきた。まぁ、胸は小学生らしい慎ましやかなものなのだが、こういうのがいいと言う人もいるのだろうし、成長期になればそれなりにはなるだろう。
将来が楽しみな子だ。
……まぁ、嫁にはやらんがな。
「ファルナ、裸の時に抱きついて頬を擦り寄せてくるのは止せ。ここが日本なら、間違いなく通報されるレベルだし、女神様がこんなところを見ていたら大変なことになってしまう」
「ん~? ファルナはお兄さん大好きだから気にしないよ~?」
「……まぁ、ファルナが良いって言うならいいか……ってなるか! こういうのは、男の人にしちゃだめなの! 俺が本当にロリコンだったら、ファルナは危険なんだよ?」
「お兄さん慌ててる? なんで?」
「いや、ファルナはもうちょっと自分の可愛さとかそういうのを自覚した方がいいよ? あれだよ? お菓子に釣られて知らないおじさんについてっちゃ駄目だからね? 俺以外の男の人に、俺の許可なくついてっちゃ駄目だからね?」
俺の切羽詰まったような言葉に、ファルナは首を傾げながら、「よくわかんないけどわかった~」と返事をしてくれた。
はぁ~~本当に疲れる……。




