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24-13


 目の前で起こる激闘を、万里華は震えて見ていた。

 そのすぐ近くには、赤髪の少女が、その戦いに唖然としながらその光景に見とれていた。

「……すげぇ……あの眷族の人、12人を相手しているのに、顔色一つ変えずに戦ってる……眷族ってやっぱりすげぇ!」


 霧が濃く、近くの木さえも、目を凝らさなければ見えない。

 それなのに、眷族達の姿はくっきりと見える。おそらく、眷族特有のオーラを発していることで、自分達の姿を視認させているのだろう。

(メイデンさんがそんなことをしている理由は、多分だけど、私達のため。自分が近くにいることで私達を安心させるのと同時に、真正面から敵の眷族と戦って、私達に攻撃が向かないようにしてくれてるんだ。……実際、敵の眷族達も私達に構っている余裕がないという発言もさっきからちょくちょく聴こえてくる。……でも、私達がいるせいで、メイデンさんも攻め込めないんだ……)


 逃げるという手段もあることにはあった。

 しかし、眷族達がした最初の会話に、彼らという発言があったことを思いだしたため、この場にとどまっていた。

 おそらく彼らとは、あそこで戦ってる眷族達のことじゃないと万里華は判断していた。

 もし、彼らがあの眷族達だった場合、最初に自分達を始末しようとした筈だ。……でも、メイデンを狙った攻撃しか彼らはしていない。

 こうなってくると、他にも何かが存在していると見て間違いないだろう。

 モンスターだった場合、ユリスティナが持ってきていたお香を近くに置いてあるため、多分安心していいと思う。

(……でも、……モンスターじゃなかったら?)

 そんな考えに至った時だった。


「天使様、私はどうしたらいいんだ?」

 ホムラが深刻そうな顔でいきなり問いかけてきた。

「ど……どうしたの? 急に……」

メイデン様(あの人)は、すげぇ……でも、このままだったら、体力とかの問題や脳が処理しきれなくなって負けちまう……かもしれない……」

 不安にさせないためなのか、ホムラの言葉は妙にたどたどしい。だが、彼女の言葉は的を射ていた。

 当然といえば当然だ。眷族になっても疲労はある。同じ眷族の優真だって、訓練をさせると毎日ヘトヘトになって帰ってくる。

 メイデンさんといえど、いずれ疲れの色が見えると考えなければならないのだろう。


「……そうね。でも、私達じゃどうしようもないの。ここから離れてあの人の意識を散らせば、逆効果になっちゃうし……だからといってここにいれば、足手纏いになるのがわかってる。私達はただ、こうしてメイデンさんの勝利を願うことしかできないの……」

 万里華は自分が何も出来ないことに歯噛みしながら、その台詞を彼女に告げる。だが、ホムラの反応は思っていたものとはかなり違っていた。

「……な……なぁ、それって、私達の姿が誰にも見えなければ、あの人は勝てるってことか?」

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