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女神は、天界にいるミハエラからの連絡で、怒りを露にしていた。
「あの霧の女神!! 自分の眷族くらいしっかりとしつけとけよ! 相変わらず、自分を慕う者に甘過ぎる!」
「め……女神様、優真は……」
女神は、万里華の不安そうな顔を見た後、他の面々を見渡す。そこにいる全員が多かれ少なかれ彼の心配をしている。
「……まだ無事だ。眷族の契りは切れていない。でも楽観視は出来ないし、むしろ、優真君がいなくなったことで君達の方が危険な状況だね。私は天界に行って、奴らの主神に奴めらを止めるよう言ってくる。悪いけどメイデンちゃん、優真君の代わりにここで彼女達を守ってあげてくれ」
「……わかった」
「よろしく頼む。ボーナスとして今日はてっちゃんに10冊送るよ」
「……ありがとうございます」
メイデンが頭を下げたことで、女神は天界に通じるゲートを作りだし、そこに入っていった。
◆ ◆ ◆
目を瞑ったシェスカには優真の姿が、見えていた。
正確には、真っ暗な世界に白い影が映っているだけで、今も活発に動いているのがわかった。
しかし、一番の問題はこの馬車から離れていくのが見えたことだった。
「そっちに行っちゃ駄目っ!!」
いきなりシェスカがそんなことを言い始めたことで、馬車にいた全員がシェスカの方を見開いた目で見る。
「どうしたの、シェスカ?」
「お兄ちゃんどっか行っちゃ駄目!!」
シルヴィが声をかけた途端、目を開いたシェスカが再びそう叫び、馬車の扉を開いて外へと出てしまった。
「……えっ!? シェスカ!? ちょっ……戻ってきて!!」
いきなりの行動に一瞬対応が遅れたシルヴィは、すぐに見えなくなったシェスカを呼ぶが、それと同時にフードを被ったファルナが飛び出し、霧の中に消えていった。
シルヴィもファルナの行動を見て飛び出そうとするが、メイド服姿のメイデンに肩を掴まれ、阻止されてしまう。
「ちょっと離して! ここはモンスターがいっぱいいるの! シェスカだけじゃーー」
「……あなたが行っても意味ない」
メイデンを振りほどこうとしていたシルヴィは、メイデンから突きつけられた現実に顔を真っ青にし、よろよろとへたりこみ、泣き崩れてしまった。




