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24-3


「十華剣式、弐の型、シラユリの舞い!」

 俺は刀を横に薙ぎ、そこにあった体を捉え、意識を刈り取るレベルの攻撃を遠慮無しにぶつけた。

 刃の部分ではなく、峰の部分で攻撃したことにより、赤い血が宙を舞うことはなかった。


 シラユリの舞いは、他の型と異なり、斬るのではなく叩く剣技だった。

 その威力は相手の腕を麻痺させ、数分間まともに動かせない状態にすることも可能で、相手によっては意識を失う者すらいる。

 ちなみに、舞いとかついてはいるが、別に決まった舞いがあるとかではなく、中学二年生の俺が特に考えもしないで決めた技名なので、基本的にかっこいいとか思ってつけたんだと思う。


 俺は他の3人も殺さないようにうまく加減して、相手の意識を刈り取っていった。

「……これで終わりか? こいつらはいったい何者だ?」

 俺は小麦色の体格がいい男達を観察してみるが、その時少しだけ違和感を覚えた。

 最初は彼らが冒険者なのだと思っていた。他の冒険者から金品を奪っている奴らだと思っていた。だから、このスティルマ大森林で冒険者が帰ってこないという事件が起きているのだと思った。

 だが、冒険者なら少しは装備とかしていてもいいはずだ。なのに、全員が半裸で襲いかかってきた。持っているのも使用していた斧だけだ。


「ねぇミハエラさん、こいつらが何者かわからない?」

 しかし、その言葉に反応はなく、待っても答えは返ってこない。

「ねぇ……ミハエラさん! 返事をしてくれ!」

 それでも、反応はない。

 お手洗いに行っているのかもしれないと楽観視したいところだが、いくら何でもタイミングが悪すぎる。だいたいさっきまで普通に話せていたはずなのに……急すぎる。


「……待てよ……女神様! そこにいるんだろ! いったいどうなってんだ? ミハエラさんから通信が途絶えたぞ!」

 俺は馬車の中にいる女神様に声をかける。馬車の姿は見当たらないが、馬車のすぐ傍で戦ったのだから、聞こえないはずがない!

 ……そう思ってた。

 だが、俺を嘲笑うかのような木のざわめく音しか聞こえない。

「シルヴィ! 万里華! ユリスティナ! シェスカ! ファルナ! ホムラ! メイデンさん! ……誰でもいいから反応してくれ!!!」

 俺は喉がかれそうになる程の大声で叫ぶが、誰からの反応もなかった。

 これは……罠だ。

 それに気付いたのは、男の高笑いが聞こえた時だった。


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