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23-6


 雲一つ立ち込めていない晴天だというのに、俺の気分が晴れない。

 なんだか嫌な予感がする。

 そんな不吉なことを考えてしまう。

 その不安が頭を過った時、結んでいた靴紐が切れた。この異世界に来てから、ずっと履き続けていた靴で、どんな危険もこの靴は耐えてみせた。

 それが、このタイミングで切れた。

 後ろでその光景を見ていた万里華が、「寿命だったのかもね」と言いながら、どこからともなく新しい靴を取り出し、それを俺に渡してきた。

 彼女に感謝の言葉を伝えて、ありがたく受け取るが、本当に寿命で切れたのか疑問に思えてくる。

 警戒は怠らない方が良さそうだということを頭に入れて、俺は玄関の扉を開けた。


 その瞬間、俺の視界に異様な光景が映りこんできた。

 数百名あまりの10~20代の男女が暗い緑の隊服に身を包み、一糸乱れぬ立ち居振舞いで敬礼してきたのだ。

 その隊列は一切崩れておらず、俺の後に続いて出てきた少女達も、その光景に驚きの声をあげている。

「……いったい……どうしたんだ?」

 その声に反応して、先頭に立っていた茶色の髪をポニーテールにした女性が代表して、半歩前に出た。


「我々『救世の使徒』は眷族様直属の部隊に任命されたことを嬉しく思っております! それなのに、我々のもとに眷族様が来ていただくなんて……とんでもありません! そのため、こうして総出で参った次第です!」

「……なるほどね。少し驚いたけど、すごく嬉しいよ」

「そう言っていただけて何よりです」

 そう言ったアオイは、ホムラの方をチラリと見た。


 本来であれば、ホムラが代表して言うはずだったのだが、昨日から元気がない。相談を受けた時以降、ずっと上の空で、二段ベッドの上ですすり泣いているのも聞こえ、今も目の下にくまを作って、儚げな表情を帽子で見せないように隠している。


「来てくれてありがとな」

 その言葉を優真が口に出した瞬間、ホムラの頬に一筋の涙が流れたことで、アオイはいてもたってもいられなくなった。

「あのっ!」

 その大声に気圧されて、優真は少し後退った。

「な……なに?」

「リーダー……いえ、ホムラを共に連れて行ってはあげられないでしょうか?」

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