23-5
「なぁアオイ~最近私変なんだよ~」
優真だけでなく、バートラムとキョウも退室していった後、残されたのはホムラとアオイだけ。
気兼ねなく弱気な自分をさらけ出せる相手ということもあり、二人きりの時は、リーダーと副リーダーとしてではなく、長年苦労を分かち合ってきた友人として接していた。
「どうしたんですか、ホムラ?」
「実はさ~最近ダンナを見てると胸の鼓動が高まったり、体温が上がったりするんだよね~。前はこんなことなかったのに……なんかわかんない?」
「それは具体的にいつからなのでしょう?」
「う~んとな~。城に攻め入った後くらいからかな~」
「ふむ…………私には判断しかねる内容ですね。もしかしたら、何かの病気かもしれません。念のためにバートラム博士にご相談なされてはいかがでしょう?」
茶髪をポニーテールの髪型にしている女性は、ホムラの相談を聞いたことで、真剣に悩んだ結果、よくわからないと言ってきた。
「……そうかもね。後で行こうと思うよ」
「それがいいと思います。ところで、ホムラはいかがなさるおつもりですか?」
「いかがなさるって、何が?」
「行きたいのではないんですか? 我らが救世主が示した土地。……危険なモンスターが蔓延るスティルマ大森林を抜けなければならないため、本来であれば後5年……幼い子ども達が大きくなってから、行こうとしていた場所です。ホムラ。貴女はずっと、そこに行くことを夢見ていたではありませんか? 眷族様であれば、貴女の態度次第で連れていってくれると思いますよ?」
アオイの言葉にホムラは即答出来なかった。
彼が帰った時、一瞬、救世主と重なった。
すぐに戻ってくると言ってから、もう二度と会うことが出来なくなってしまった救世主様。自分が眷族という存在や主神よりも尊敬していた存在と重なってしまった。
なんだか、このまま別れるとあの人みたいに長期間会えなくなるような気がした。
すぐに帰ってくるとは言っていたが、あっちに住み着く可能性だって0じゃないのだ。
だが、止める訳にはいかない。
(ダンナにはダンナの仕事がある。しかも、ダンナがおこなっている仕事は私達の為にやってくれてることだ。……それに、仲間達を置いて自分だけ楽しむ訳にはいかない……)
「私は……行かないよ……」
ホムラはアオイにそう告げた。




