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メイファンさんが用意した馬車に揺られて、数十分の時間が経ち、俺達は大きな屋敷の前に下ろされた。
大きな庭に、2階建ての広く白い西洋風の屋敷、予想以上に立派な屋敷が目の前に存在している。
「……なぁ、本当に俺達も住んでいいのか? 女神様が個人的に頼んで造ってもらった屋敷なんだろ?」
「ここまで来て、君たちを住まわせないなんて野暮なことする訳ないじゃないか。それに、私だけがここに移り住む場合、私のお付きとして来たマリちゃんもこっちに暮らさないといけなくなるからね。せっかく想いが通じあったのに、私の勝手で二人を引き裂くなんてできないよ」
「……そうか。なら、遠慮なく住まわせてもらおうかな。ありがとな……」
その言葉の後に女神様と言おうとした時、ふと思ってしまった。自分が彼女の名前を知らないことに。
よくよく考えてみれば、俺は彼女の名前どころか、どういうのが好きなのかとか色々なことを知らない。
眷族筆頭という立場になったのなら、最低限、彼女のことは知っておくべきだと思うし、それ以上に信頼関係がまったく無いように思えて、なんか嫌だった。
「ねぇ、女神様。女神様って名前とかないの?」
「名前? 子どもを司る女神だけど……」
「いや、そういう肩書きみたいなのじゃなくてさ。日本でいうゼウスとかアテナとかそういう感じの名前はないの? 前々から思ってたんだけど、俺って眷族筆頭とかいう役職についてるのに、女神のこと、全然知らないんだよね」
「ふ~ん。私にそういう感じの名前はないよ。神になった時、私は子どもを司る女神という名前になったからね」
「じゃあ今まで通り、女神様と呼称するしかないか……」
「優真君がまともに女神様と呼んだ回数より、あんたとか女神とかで呼んだ回数が多い気がするのは私の気のせいかな?」
「そうだっけ? まぁ、これからは気をつけるよ。女神様には迷惑かけられたけど、こうして大きな屋敷を皇帝からもらったり、万里華と再会できたのは、全部女神様のお陰だし……少しくらい敬おうと思う」
「そうかい? ようやく優真君も私の偉大さに気がついたか?」
「……そういうのなければいい神様だと思うんだけどな~。だいたい、女神様って容姿が会った時と全然違うじゃん! いつまでそんな子どものような見た目でいるわけ?」
「今更過ぎないか~? まぁ、マリちゃんに聞けば分かると思うんだけど、普段の私って実はこういう感じなんだよね~」
「はぁ!? あっちが本当の姿じゃないの!?」
「まぁね。優真君と初めて会った時の見た目は、見栄を張りたいとか、初対面は印象が大事という考えのもと、あんな感じなんだよ。だいたい、見た目が幼女の戯言なんかを君は信じるかい?」
「……まぁ、そう言われて見れば……神様なら、変装くらい容易いか……」
「何やってんの優真? 早く来ないと先に入っちゃうよ?」
「お兄ちゃん早く!! 早く新しいおうち入ろ!」
「ん? ああ、わかった。すぐ行くからもうちょっと待ってくれ」
女神の言葉に納得しながら歩いていると、既に扉の前についていたシェスカと万里華が俺達を急かした。
その声で、俺と女神は話を終了し、歩くスピードを少し速めて扉の前で待つ7人のもとへ急いだ。
ここで子どもを司る女神の眷族状況をご紹介
眷族筆頭:優真
覚醒前の眷族:ファルナ(神獣族の少女)
覚醒できない眷族(不老の力だけを得た眷族):シルヴィ、シェスカ、ユリスティナ
万里華とミハエラに関しては子どもを司る女神の直属の天使ですね。
ユリスティナは大地の女神を信仰していましたが、大地の女神の怒りは買ってないです。神様どうしがかなり仲がいいからね。普通は怒ります。
以上、唐突な解説コーナーでした。




