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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
21章:実習生、家族からの手紙を読む
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「ど……どうかなされたのですか?」

 いきなり喋らなくなった俺に不審を抱いたのか、顔を上げたギルド長がそんなことを言ってきた。

「いえ……なんでもありませんよ」

(まぁ、S級冒険者になったとなれば、むしろ逆に手を出してくる輩もいなくなるかもしれないしな……ギルドカードの管理に気を配れば、問題無いって言うならせっかくだし、受けとくか)

 俺がメリットやデメリットを考えていると、ギルド長が恐る恐るといった感じで口を開き始めた。

「……それで? どうなされるのでしょうか?」

「どう……とは?」

「アマミヤ様の実力はギルド長の私も理解しております。S級冒険者にしても、問題は無いと思っております! アマミヤ様がすぐにでもと言うのであれば、すぐに取り掛からせていただきます」

「そうなんですか? よくわかりませんが、皇帝にも何かしらの考えがあったのでしょうし、せっかくなのでよろしくお願いします」

「かしこまりました! すぐにご用意致しますので、申し訳ないのですが、少々お待ちしていただいてもよろしいですかな?」

「ええ、構いませんよ。ではその間、下の掲示板でも見てきますよ」

 俺は用意された紅茶を我慢しながら飲み干すと、退室して掲示板の方に向かった。


 せっかくキョウ君の試験を見学させてもらおうと思ってたのに、とっくに試験へ向かったと受付の人に言われ、そのうえ、部外者の立ち入りは禁止だと言い渡されて、結局、入れてもらえなかった。

 仕方がないので、ギルド長にも言った通り、掲示板を見ることにした。

 AランクやBランクの依頼は、強そうなモンスターとの戦闘ばかりで、当然簡単そうなものは一つもない。

「ん? スティルマ大森林の調査?」

 よくよく見ると、色々な依頼の中に見知った地域の名前を見つけた。スティルマ大森林は、自分が初めてシルヴィと出会った場所で、そして色々と思い出深い土地だった。

「え~と、何々……最近、スティルマ大森林に入った者達が行方不明になる事件が多発しており、また、其処に住む村人とも連絡が取れていない。そのため、何が起こっているのかを調査してきてほしい……ねぇ。うわっ、もう既にばつが五つもついてんじゃん。だからAランクに届けられてんのね。……ハルマハラさん達、大丈夫かなぁ」


 そんなこんなで掲示板を見ていると、ギルド長からSランクになったギルドカードをもらい、キョウ君の方もなんとか試験を無事に終えたようだった。

 こうして、俺達はそれぞれの家に帰ったのだった。


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