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報酬が少なすぎて一つの依頼を達成するだけでは足りなすぎるのだ。
そのせいで、短い間だったとはいえ、シルヴィとシェスカには栄養価の低いものしかあげられなかった。
だが、俺にはお金を大量に得る機会とハルマハラさんからいただいた家があった。だから、その二つを持っていないキョウ君には不可能だと思った。
「そ……そんな……なら、いったいどうすれば……」
驚いたような表情を顔に浮かべたままの状態で、徐々に顔を青ざめさせていくキョウ君から『救世の使徒』をまとめるホムラに、俺は視線を向けた。
「ホムラ、この地下街に3人専用の家を作ってくれないか? それで必要最低限の支援をしてほしいんだが……可能か?」
俺はそう頼んだのだが、普段であれば二つ返事で了承するホムラが珍しく難色を示した。
「いくらダンナからの頼みでもそれは難しいな。脱退した者を養っていけるほど、うちも金がある訳じゃねぇし。……でも、リーダーとしては受け入れられないから、お願いじゃなくて命令なら……」
「やれ」
彼女の意図を知り、間髪入れずにそう言ったことで、彼女の口元に笑みが刻まれた。
「わかった! ありがとうダンナ! 今すぐとりかかるよ!」
「し……しかし!」
「アオイも文句ないな? それとも眷族の絶対的な命令に信仰者の君達が断るのか?」
「い……いえ、申し訳ありません。すぐに取り掛からせていただきます!」
「頼んだよ」
二人が部屋から出ていくのを見届けて、俺は再びキョウ君に視線を戻した。
「……さて、キョウ君。君にも命令をさせてもらうよ。二人をしっかりと守れなかったことを後悔するんだったら、為すべきことを為せ! お前のやるべきことは二人を苦労させることじゃないんだろ? ……俺はお前達が信仰している子どもを司る女神の眷族なんだ。だから、困った時は俺を頼れ。そして俺が困った時はその力を貸してくれ。……戦いはもうしなくてもいいからさ」
「……こんな……こんな役立たずの自分達をまだここに置いていただけるのですか?」
「お前も双子の二人も決して役立たずなんかじゃないさ。……3人とも、この国を変えるために、命をかけて頑張ってくれた俺の大切な仲間だ」
「ありがとう……ございます。このご恩は……一生忘れません」




