表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
21章:実習生、家族からの手紙を読む
257/970

21-3


 彼の発言に、優真は自分の耳を疑った。だが、彼の真剣な表情や周りの様子を見て、冗談の類いではないと思った。

「いきなりどうした? お前は第1部隊の隊長でーー」

「その第1部隊は自分が弱かったせいで壊滅しました!!」

 いきなり声をあらげたキョウは、優真に対して「すいません」と謝り、後ろで椅子に座ったままの双子を見た。

「……後ろにいるカヤとマヤの二人も、一見すれば平常かもしれませんが、仲間を失ったショックで、マヤは喋らなくなってしまい、カヤも武器の類いを触れなくなってしまったのです。全部自分が未熟だったから……自分が優真様くらい強ければ、二人をあんな怖い目にあわせずに済んだんです!」

 悔しそうに言った彼が、俺には悲しく思えてくる。

(きっと今の今まで自分を責めてたんだろうな……いや、これからも責め続けるんだろうな……)

 本来であれば、『救世の使徒』に所属していない俺に彼を脱退させるかどうかの権限はない。だが俺は、彼らが信仰する子どもを司る女神の眷族、それも筆頭と呼ばれる子どもを司る女神に次ぐ権力者だ。そう思えば彼らが俺に選択を委ねるのもわからなくはなかった。

「……キョウ君はよくやってくれたよ。なにせ君のお陰で、カヤちゃんとマヤちゃんの二人は生き残れたんだ。ガイベラスとはちあわせてしまったのは、俺の目測が甘かったからだ。キョウ君のせいなんかじゃないよ。それでも辞めるというのなら、俺は止めない。……でも、これからどうするんだ?」

「ひとまず冒険者稼業に勤しみたいと思います。二人を養えるように、色んな仕事をこなしていこうと思っています」

「住むところはどうするんだ? 冒険者といえば遠くに行ったりするだろ?」

「わかってます。とりあえず、ここら辺でいいところを探してみようと思ってます」

「……あれ? 俺は他の地域に行ったりする時のことを聞いたんだが……もしかしてここを出ていくつもりなの?」

「……え? ええ、そのつもりですけど……」

「許さーーーーん!! 絶対に許さないからな! キョウ君!」

 その発言に、この場にいた全員が驚いた表情をこちらに向けてきた。

「きゅ……急にどうしたんですか!?」

「お前は冒険者なめてんのか? 最初っからそんな簡単に金を稼げる訳無いだろ! 3人が食べる食料を確保するだけでも大変なんだ。家の分なんて新人冒険者が稼げる訳ないだろうが! そんな苦労することを、君達にさせるなんて俺は絶対に許さないね! 眷族としての命令権を使ってでも、許してやるもんか!」

 初心者冒険者が受けられる依頼は決して少なくない。ただ、依頼内容は簡単なものばかりだったが、どうしても報酬が低くなる。

 一人で生活するなら、何の問題もなかった。節約すれば1日を過ごせる報酬だからだ。……だが、3人でとなるとそうはいかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ