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20-8


 ユリスティナとシェスカのいざこざをなんとか鎮めて、3人を連れて下に戻ると、机の上に懐かしき道具が並んでいた。

「……なぁ、こんなのどこから持ってきたんだ?」

 そこに並べられていたのは、焼きそばの袋麺と、ソース、カット野菜、豚肉だった。

 日本であれば極めて普通の焼きそばセットではあるが、この世界ではそうじゃない。

 なにせ、袋麺がないのだ。

 食料はだいたい日本と同じとはいえ、カップ麺などはあっちのオリジナルであったはずで、この袋麺に関しても、こっちには無かったのだ。


「ふふん、こう見えて私ってば神望(じんぼう)あるんだからね! 料理の女神が遂に数年の歳月をかけて、袋麺を完成させたんだ! って言って私に味見を頼んできたんだよ。それで、マリちゃんが優真君は一人暮らしの時に自分が来ない時は焼きそばばっかり食べてたって言うし、それなら優真君に作ってもらおうかと」

 女神からの説明を受け、久しぶりに焼きそばを食べられることに幸せを感じるが、優真は大切なものがないことに気付いた。


「別に作るのは構わないんだけどさ……鉄板はどうするんだ? さすがにこの人数で鉄板無しはきついだろ?」

 現在ここにいるのは、俺、女神、シルヴィ、シェスカ、万里華、ファルナ、ユリスティナ、そしてメイデンさんの8人だ。さすがにこの人数分をただのフライパンでやれば、かなり時間がかかりそうだ。

「そこはほら、せっかく雇ったんだから早速仕事をしてもらおうじゃないか。というわけでメイデンちゃん鉄板無い~?」

「そんなもん普通持ってるわけーー」

「ある……」

「えっ? …………まじで?」

 俺の言葉にコクリと頷いた彼女は誰もいない床に手を翳した。

「……【処刑道具召喚(おもちゃ箱)】解放……巨大鉄板……」

 メイデンさんが張りのない声でそう言った直後、いきなり現れたのは、テーブルよりも少し大きな鉄板だった。

 黒い鉄板の下には火が燃え盛っており、かなりの温度になっている。

「……ちなみに聞いておくけど、これの基本的な用途は?」

「……上で土下座」

 焼き土下座とか漫画でしか見たことねぇよ……まぁ、他に鉄板のあても無いから、これを使うしかないけどさ……。

 だが何故か、焼き土下座用の鉄板で作った焼きそばは、かなり旨かった。


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