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20-6


「ではこれから面接を始めたいと思います」

 何故かスーツを着て、出来る女っぽい見た目にするためのだて眼鏡をかけている幼い少女姿の女神がそう言い始めた。

 リビングのテーブル越しに座るメイデンさんは、無言で首を傾げている。

 そして女神の左隣でこの状況についていけていない俺は内心頭を抱えていた。

 むしろ、女神の右隣でニコニコしている万里華までスーツに着替えてノリノリなのだから、もう頭痛しかしない。


「……なぁ女神様? 一つ聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

「ノンノン。今は女神様はやめてくれよ優真君。面接官殿、だろ?」

 人差し指を伸ばしながら、左右に振る女神こと面接官殿はウインクしながらそんなことを言ってきた。

 俺はその姿を見て溜め息を吐いた。

「はぁ……それで面接官殿? この茶番はなんですか? 意味がよくわからないんですけど……そもそも、うちは仕事場ないじゃん。何の面接なの、これ!」

「簡単じゃないか。メイド服を着ているんだから、メイドじゃない?」

「へぇ、じゃあ雇う金に関してはどうするの?」

「1日1冊てっちゃんにラノベを送ることになってるよ~。もちろん衣食住はちゃんと提供しないとね」

 1日でラノベ1冊って……そんなんブラック企業より酷いじゃないか。

「メイデンさんはそれでいいのか?」

「……うん。神様が喜ばれることが出来て……眷族冥利につきる……」

 まぁ、メイデンさんがそう言うのであれば、俺に文句はなかった。

 という訳で、これからメイデンさんの面接が行われるのであった。

 

「さぁて、メイデンちゃん、君の特技を教えてくれないか?」

「…………処刑……」

 普通の質問にそんなことを答えられたら、それだけでもう雇いたくなくなるが、何故か面接官殿は楽しそうにメモしており、万里華はというと、顔を真っ青にしていた。

「さすがは『処刑人形』と呼ばれているだけあるねぇ」

(相変わらず物騒過ぎる通り名だなぁ……女の子につけるようなものじゃないと思うけど……)

「で……でもさぁ、メイドなんだからさ。家事で得意なことを聞きたいな~……なんて……」

 万里華の質問にメイデンさんは少し考え込むような仕草を見せる。

「家事? ……殲滅(掃除)……とか?」

「お~掃除が得意なのか~。他には他には~?」

「後は……綺麗に料理することも出来る……」

「お~料理まで~! さすがにポイント高いねぇ」

 女神が先程から興奮しているが、俺には何故か物騒な意味にしか聞こえないのは何でだろ……。


「……それから、洗濯は出来ないけど、ネタ干は出来る」

「ネタ干? 乾燥させる道具か何かなのかな??? まぁ、洗濯は私達が出来るし、そこら辺は問題ないかな?」

 何で犯人を捜しあてることを、家事だと言ったのかがわからないけど、刑事ドラマに興味がなかった万里華には意味がわからないらしく、洗濯したものを干すことだと勘違いしているみたいだった。

 こうして、俺に意見が振られることなく、面接は終了し、彼女は、うちで働くこととなった。


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