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それからは、話し合いが何故か婚約記念のパーティーみたいなものになった。
もちろん、当初の目的に関してもしっかりと話し合い、どうやって先程の条件を満たせるかで、色々と意見が出て、ようやく話がまとまった頃には、外はすっかり暗くなっていた。
そして、現在は婚約記念パーティーが身内だけで行われている最中だった。
万里華の気持ちは知っていたが、ユリスティナの気持ちに関しては予想外だった。
助けた時からって言ってたけど、あの時だって万里華が声をかけてくれてなかったら見捨てていた。ガイベラスの時だって、無償で動いた『救世の使徒』やメイデンさんとは違って、俺は彼女に代価を差し出すよう強要して、彼女を追い込んでしまった。だから、あんなことを言われるなんて思ってもみなかった。
でも、シルヴィには悪いとは思うが告白された時は少し……いや、かなり嬉しかった。
とはいえ、このまま騙し続けるのもどうかと思う。
「ユウマ様、このような場所に一人っきりでどうかなされたのですか?」
俺がテラスについた手すりに肘をつきながら、色々考えていると、ユリスティナが一人で近寄って来た。
「少し風に当たりたいと思ってね。まぁ、気持ちよすぎて離れたくなくなったんだよ」
「そうなのですか? ……本当ですね。風が気持ちいいですわ」
ユリスティナは、俺の隣にやって来た。風で靡く金色の髪が、とても綺麗に思えて、俺としたことが、つい見入ってしまった。
「皆さんの元に戻らないと心配なされますよ?」
見入っていると、いきなり声をかけられて少し焦った。
「そ……そうだな。……でも後少し俺に付き合ってくれないか?」
「え? わたくしでよろしいのですか?」
「うん。せっかく俺に告白してくれたんだ。だから俺もちゃんと打ち明けることにするよ。……といっても、ここに来てくれなきゃ話す気はなかったんだけどね」
そう言うと、ユリスティナは真剣な瞳で俺の方を向き、それにならって俺も彼女の方に体を向けた。
「俺は君に隠し事はしたくない。だから、今から話す内容を聞いて、ユリスティナがどう思おうと勝手だし、なんなら婚約の話だって、取り消してくれたって構わない」
俺はそう前置きした後、馬車を助けたあの日のことを話した。
シルヴィがベラキファスという男に拐われたために、町へ向かったこと。その道中でユリスティナ達が襲われているのを見つけたこと。そして、俺は中にいる子どもが危険に晒されているということがわかっていながら、見捨てようとしていたことを包み隠さず、打ち明けた。
そのうえで、女神との約束の件を伝えた。
それがなければ、ユリスティナの告白を受け入れるつもりがなかったことを、全て包み隠さずユリスティナに打ち明けた。




