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ハンバーガーは謎だったが、その他は見た目の美しい料理ばかりだった。
そして昼食を終えた俺達はようやく目的の話し合いを始めることになった。
「この度は、ユウマ殿のおかげで助かったこと、誠に感謝しております。余に出来ることであれば、何だってしたいのが本心ではありますが、こちらとしても、絶対に受けられない内容もあります」
「ええ、構いません」
先程、食事をした部屋で使用人達が食器を片付け終えるのを見届け、俺達は向かい合った状態で座っていた。
席順は食事の時と同じで、左からシェスカ、シルヴィ、俺、女神、万里華、ファルナの順で座り、俺の向かいにユリスティナが座り、女神の前に皇帝が座り、万里華の前に皇子が座っている。
「私の目的……いえ、私達の目的は子ども達に対する対応の改変です」
「対応の改変?」
「そもそも、今回、そちらの被害者が0に近かったのは、私達に敵対の意志がなかったからです。ただ、数名の犠牲が出たことに関しては配慮いただきたい。仲間が目の前で殺されて、その報復に……というケースもありましたが、そこは殺し合いの結果として多目に見ていただきたいのです」
「わかっております。あなた方が敵意剥き出しだった場合、この場は成立していなかったでしょう。むしろ数名の被害で、このパルテマス帝国をガイベラスから守っていただけたのですから、文句などありませんよ」
「そう言っていただけるとありがたい。では本題に戻りましょう。子どもに対する対応の改変。私が貴方に要求する具体的な内容は、まず18歳以下の者達に強制労働を辞めさせてください。そのうえで、子ども達に教育する権利を与えてほしいのです」
「子どもの強制労働をやめさせるうえに教育…………本気ですか?」
「ええ」
「そんなの無茶だ!!」
そう言いながら机を叩いたのは、翡翠のような色をした瞳を優真に向ける皇子だった。
「何が無茶なんです?」
「子ども達に労働させないなんて許せる訳がないだろ! だいたいそんなことをしたら労働力がなくなるだろ!」
「40を越えた者達を呼び戻せばいいではありませんか? 40を過ぎた者達は、金に困っています。田舎に追いやられ、有り余る力を畑仕事に費やすか、低賃金で働いています。もちろん仕事をしたいと望む者がいるならやらせればいいが、したくないと言う子ども達を無理矢理働かせるのは、理解できない」
「だが、他の国だって子どもを働かせている!」
「待てフィリップ……貴公の条件はわかりましたが、まだ納得は出来ません。フィリップが言った通り、他の99%の国が、我々と同じ政策をとっています。子どもを酷使していたのは我々だけではないんですよ?」
「他がどうだろうと関係ないんですよ。俺が生まれ育った国では、それが普通で、魔法や神に頼らなくても技術を発展させたすごい国だった。もちろん、今すぐにその体制を完成させろとは言ってない。子ども達に自由を与えるのは最優先事項とし、そのうえでしっかりとした配給を心掛けるように圧力をかけてください。栄養失調で今度子どもに死人が出たなんて聞いたら……その原因を徹底的に潰しますよ?」
「す……少しお待ちいただけますか? 少々考えてみますので……」
「ええ、構いませんよ」
パルテマス皇帝は、隣に座るフィリップ皇子を近くに寄らせなにかを相談し始めた。




