18-17
ちょっと訂正しまくってたら、かなり遅れました。今日も1話です。ごめんなさい
「く……くくっ……酷いな、お前。あんだけ俺を怒らせといて、未だに自分の下に就けとか言ってくる……。だいたい金や地位なんて、今の俺にはどうでもいいしな……」
優真の言葉にガイベラスは更に表情を真っ青にしていく。
自分の思い通りにならないこの状況と、目の前の青年からわき出てくる覇気というものに恐怖していた。今、目の前に見えるオーラが、自分よりも強いメイデンのオーラよりも濃いことが彼我の戦力差を改めて突きつけてくる。だが、だからこそ、彼の力を欲しいと思ってしまった。
「な……ならいったい何が望みだと言うのだ! 私に用意できるものは何だって用意してやるぞ!」
だが、その言葉をガイベラスが発した瞬間、優真の表情から笑みが消えた。
「……お前が成り上がる為の道具としてしか見なかった少女は、俺に体を差し出すとか言ってきたよ? ……こんな俺にだよ? そんな覚悟を見せてもらったからこそ、俺はここにいる。金? 地位? 女? そんな物、死んだら意味がない!!! 神や大切な人達を裏切ってまで欲しい物じゃない!!! 俺が欲しいものは覚悟だ! 自分の中で正しいと思い、そのうえで、その者のために戦うかどうかを決める。……お前には魅力というものをまるで感じない……」
「や……やめろ!! まだ私は死ぬ訳には……」
「……だから、お前の人生はここで終わりだ」
その言葉を放ちながら、優真は手に持つ剣をガイベラスに突き刺した。
ガイベラスは悲鳴を上げた後、痛みに耐えきれなくなり、気絶してしまった。
こうして優真達は、ガイベラスに勝利した。
◆ ◆ ◆
動かなくなってしまった男の姿を見て、優真は葛藤していた。
今の攻撃で殺そうと思えば殺すことはできた。脳か心臓さえ潰せば、いくら眷族であっても殺すことはできた。
……でも……しなかった。
彼の心臓から少し離れた位置を刺して、気絶させることだけに留めた。
殺そうと思った。それだけの力も持っていた。覚悟もあった。……ただ、これをすれば自分が自分ではなくなるような気がして、咄嗟にそこを刺した。
こいつが生きていれば、もっと多くの人に迷惑をかけるのもわかっている。
このまま生かせば、また多くの人が死ぬかもしれない。
俺だってこいつを許した訳じゃない。心では未だに怒りがあるし、殺意だっておさまっていない。
……ただ、自分をここで押さえつけることが出来なければ、彼女達の隣に立っていられる資格を自分から捨てたことになる。
それだけはどうしても嫌だった。
だから、俺はこいつを殺せない。




