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今回の作戦において重要視するのは、いかにうまく立ち回るか。そして、いかに皇帝や国民から反感をかわずに済むませられるかの2点である。俺達の敵はガイベラスであってただの兵士じゃない。
そこで思い至った方法が、不殺という戦い方だった。
俺は保育士になりたいんであって快楽殺人鬼になりたい訳じゃない。だから、出来ることなら人を殺したくない。
そんな思惑があったことも否定しない。
だが、この戦法には他にも利点がある。
そもそも、今回共にする者達は大半が10代後半から20代前半の若者なのだ。キョウ君にべったりの双子が13歳で参加しているのを除けば、そういう構成だ。
まだ若い彼らが、人を殺すという行動を躊躇なく出来るとは思えない。何よりもそんなことをさせたくない。
だから、俺のために他人を殺すなんて真似は絶対にさせたくなかった。
そのため、この作戦では秘密兵器を使う。
この作戦のためではないが、少し前にバートラムさんに武器を調達するように頼んでいたのだ。
麻酔弾と麻痺弾、そして専用の拳銃とサイレンサー、スナイパーライフル、麻酔薬を塗ったナイフを、作戦に参加する約200人分用意した。
そのうえ、連絡を取るためのインカムを人数分用意するのは、大金が必要だったこともあり、俺はスティルマ大森林に入ってA級やB級のモンスターを狩りまくった。
なまっていた体を鍛える目的もあったのだが、以前は【勇気】に頼りまくっていた戦闘が、能力無しでモンスターを圧倒出来るようになったのを見て、本当になまっているのか疑問に思えた。
こうして、俺達は着々と準備を進めて、今、こうして兵士達を蹂躙していた。
「城内にいる者は見つけ次第、片っ端から撃ちまくれ! 外からの応援はこの作戦を瓦解させてしまう! その前に城内を速やかに制圧する! スナイパー班は、外で何か行動があった場合の報告を頼む」
マイクを通して、再び全員に指示を送る。
ユリスティナが書いてくれた地図を頭に入れた状態で、部隊ごとに別れて、制圧していく。
ユリスティナに書いてもらった城内の地図は細かいところまで書かれており、目的地の場所も鮮明に書かれていた。
そのため、作戦を立てるうえでおおいに役立った。
「じゃあダンナ! 私達も行ってくる! ダンナも気をつけなよ!」
「わかった。念のためにもう一度言うが、ガイベラスを見つけたらすぐに知らせろよ! そんで速やかに退却するんだぞ! 決して手を出すなよ!」
ホムラにそう言うと、ホムラは「わかった」と短く応答した。
こうして最後までついてきていたホムラのグループも指定していた場所で別れた。そして、俺は鉄の女神の眷族筆頭を務めるメイデンさんと共に、ガイベラスがいると思われる場所に向かった。




