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ここで金や地位を提示してきたり、強制的に働かせようとするなら、この少女に貸す力はない。
俺が求めるのは覚悟……この少女に俺が思わず力を貸したくなるくらいの覚悟が欲しい。
優真の意思を読み取ったのか、女神は何も言わない。
ユリスティナは、優真の言葉に一瞬戸惑ってはいたものの、すぐに「わかりました」という言葉を優真に返した。
そして次の瞬間、ユリスティナが優真の予想外な行動に出始めた。
いきなり、着ていた服を脱ぎ始めたのだ。
「はぁ!? お……おい! 何やってんの!? 誰も服を脱げなんて言ってないだろ!」
優真は慌てたようにその行為を止めさせる。
ユリスティナは優真に止められたことで、へそを出したところで上着を脱ぐ手を止めた。
「わ……わたくしの体をあなたに捧げます。眷族様の御力を借りるというのに、わたくしにはこの身一つしか残されておりません。ですがご安心下さい。今まで誰にも汚されたことのない体です。この身を眷族様にこの場で捧げるのも厭いません。奴隷として扱ってもらっても構いません。だから……だからどうか、この国と国民、そしてわたくしの家族を救うために御力をお貸しください!」
涙を流しながら、頬を赤らめた少女は、震えた声で懇願してきた。
「…………わかった」
「ユーマさん!?」
「依頼は受けるよ。俺が出せる最大限の力を君に貸そう。それに安心してくれ。君が身体を差し出す必要はないよ。君の覚悟はしっかりと見せてもらった。さすがにいきなり脱ぐとは思ってなかったけどね」
「ほ……本当に良いのですか?」
ユリスティナはその瞳に涙を溜めたまま、戸惑いが伺える表情で聞いてくる。
「女神に誓ってもいい」
「ま……まだわたくしは、何も眷族様に捧げていないのですよ?」
「いいよ。金や権力なんて口約束をしなかっただけ、信用するだけの価値はある」
「ありがとうございます。このご恩は必ずお返しします!」
「ただ、二つ条件がある。嫌なら断ってくれたっていい」
「いいえ。わたくしにやれることであれば、何なりとお申し付けください!」
「一つは全てが終わった後に、俺をパルテマス帝国の皇帝と皇子様に会わせてくれ。もう一つは、少しだけ準備をする時間が欲しい」
「……それだけでよろしいのですか?」
「まぁ、そうだね。後から増やす気はないよ。慎重にいかないと死ぬ可能性が圧倒的に高いんだ。失敗する可能性だってある。それでも、皇帝に直接会って話が出来る機会を逃したくない」
「まったく……君は女神の私を差し置いて、勝手に色々なことを決めるねぇ。まぁでも、面白いものを見せてくれるって言うんなら私にとっても文句はないさ。ただ、決行は私が帰ってきてからにしてくれるかい?」
「……なんで?」
「相手は眷族だからね。色々とこっちにも手続きがあるのさ……じゃあマリちゃん、優真君のことをちゃんと見ときなよ?」
「わかりました!」
その言葉を聞いた瞬間、女神はこの場から去ってしまった。




