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シェスカは聞かれたことに答えただけで、いきなり屈んで頭を抱え始めた万里華を見て、首を傾げている。
「万里華……外は危険だから出ないように言わなかったっけ?」
「……ごめん。ファルナちゃんにクレープを食べさせたいって言うシェスカちゃんが可愛すぎて、つい甘やかしちゃった……」
「あっ! お姉さん、シェスカの名前聞いてきたお姉さんだー!」
「ほんとだ。……うちのシャンプーの匂いに隠れて、あの時覚えたお花の匂いがする……」
シェスカが気付いたことで、ファルナも彼女に会ったことを思い出し、彼女に近付き、匂いを嗅ぎ始める。
どうやら、ファルナも一緒に行っていたらしいが、今回のようなことが次も起こる可能性があるな。これからは、厳重に注意しておこう。
「……ったく、今回は相手が敵じゃなかったから良かったが、以後気を付けろよ?」
「はい……以後気を付けます」
万里華が反省したようにうな顔を見せたため、優真もそれ以上言わなかった。
「……話を中断させて悪いね。要するに町でこの3人を見つけたってこと?」
「ええ、休憩がてら、いい匂いのするお店に行ったら、シェスカというあの日聞いた名前が聞こえたもので……もしかしたらと思い、メイファンに後を追わせました。もしも同一人物であるのなら、あの日のお礼をと思いまして……」
顔を上げていたユリスティナ皇女は再び頭を下げた。
「その節はありがとうございました。あなた様に助けられたお陰で、わたくし達は命が助かりました!」
「まぁ、お礼を言われるのは悪い気がしないかな。でも本当にお礼を言われるようなことはしていないんだけどな……まぁ、他にも聞きたいことはあるけど、とりあえず先ずはここまでにしよう。後は皇女様の誠意次第かなぁ……」
「ど……どういうことでしょう?」
「単純な話だよ。俺だって善人じゃない。俺は君のために、命をかけなくちゃいけないんだろ? しかも今回は相手が相手だ。俺だって無償で動く訳にはいかないんだよ。そもそも俺は、この子どもを司る女神の眷族だ。生半可な代償じゃ絶対に動かないぞ。……さて、ユリスティナ皇女様、貴女は俺に何をくれる?」




