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「……お風呂ありがとうございました」
風呂に入っていた金髪の少女がリビングに戻ってきた。
「ああ、昼ごはん出来てるし、こっち来て座りなよ」
彼女の服は雨で濡れていたため、体格の近いファルナの服を貸していた。
そんな彼女を食卓に呼び、全員が揃ったことで俺たちは食事を開始した。
シルヴィの作ったカレーは万里華の指導もあったため、とても俺好みの味に仕上がっていた。
「……さて、食事も終えたところでそろそろ話を伺ってもいいかな? 君が何者で、何故この家の前で倒れていたのかを……まぁ、後者に関しては偶然かもしれないけどね」
「……いえ、わたくしはここを目指して来ました。あなた様に会うために……」
俺が質問をすると、金髪の少女はその翡翠のような色の瞳を涙で潤ませる。そして、少女は席を立ち、俺に向かって頭を勢いよく下げ始めた。
「どうかお願いします! 家族を、メイファンを、そしてこの国をお救いください!!」
その言葉を聞いた瞬間、俺の頭は混乱した。
(はぁ~? なんで家の前で倒れていた少女に風呂と食事を振る舞ったら、そんな話になるの? 壮大すぎん? 国を救えとかそんなの俺にどうしろと? 正直、女神からの提案受け入れたせいで俺は今、自分のことで手一杯なんだけど…………断るか。正直俺が関わる必要もなさそうだし……)
そう思って、彼女に断りの言葉を入れようとした瞬間、下げていて見えない彼女の顔から涙がこぼれているのがわかった。
「……優真君」
「……わかってるよ。とりあえず、話も聞かずに追い返すのは失礼だし、今は雨が降っている。何よりも、彼女がここまで来た際の格好がどうにも気になる。そんな訳で話ぐらいは聞くよ」
「そ……それでは!」
「ただ、協力するという確約は出来ない。俺はここにいる全員の命を預かる身だ。そう簡単には決められないんだ」
その瞬間、話を聞くという言葉で希望に満ちた少女の顔に陰りが見えた。
「わ……わかってます。しかし、今からする話に嘘はないので、笑ったりとか、ありえないという言葉で片付けないでほしいのです」
少女は目元を指で拭うと再び椅子に行儀よく座ると、真剣な表情で優真達に向かって名乗った。
「わたくしは、パルテマス帝国第2皇女、ユリスティナ・カルテス・パルテマスと申します。どうかお見知りおきください」




