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16-11

※これは、前回の続きで間違いありません。



 私と優真が初めて会ったのは5歳の時だった。

 大好きだったお父さんと、大好きだったお母さんが別れた次の日、お母さんが近所の挨拶に行った時、優真と初めて会った。


 4つ離れた妹の由美ちゃんとお父さんとお母さん、そんな幸せな家族に囲まれて羨ましかった。

 だって……私のお母さんは毎日毎日仕事ばっかりで、私に構ってすらくれなくなったのだから。

 でも、優真のお母さんはとても優しくて、いつも遅くに晩御飯を食べている私を見かねて、毎日のように晩御飯を一緒に食べさせてくれた。

 その日から、優真達の家族は私にとってかけがえのないものになっていった。


 小学生になった頃、お母さんがストレスを私で発散するようになった。

 辛くて悲しい毎日だったけど、優真や由美ちゃん、おじさんおばさんが優しくしてくれるから、この生活を壊したくなかった。

 お母さんがいるから、この生活が続けられる。だから、私が我慢すればいいと幼い私は我慢し続けていた。

 こんな生活がずっと続けばいいと思ってた。…………でも、そんな幸せは突然、壊れてしまった。


 私が小学4年生の頃、優真のお父さんが亡くなった。

 私と優真の前で巨大な炎に包まれて、帰らぬ人となってしまった。


 悲しかった。心の底から悲しかった。

 それなのに、その時の私は非情にも、悲しいと思いながらも、少しだけ嬉しいと思ってしまった。


 これで優真も、私と一緒でお父さんがいなくなった。

 きっと優真と私は運命の糸で結ばれているんだと当時10歳の私は思っていた。


 ……でも、すぐに自分の考えを後悔した。

 優真が心を閉ざしたのだ。

 家以外の場所で誰とも喋らなくなった。

 そのせいで、中学に入るまでまともに話す機会がなくなってしまった。

 何度話しかけても、空返事しかしなくなった。

 優真の家にも行く機会がなくなり始め、私に残されたのは、暴力だけを振るう親だけだった。

 楽しかった日々は、優真のお父さんが亡くなったことで壊れてしまった。


 だけど、中学二年生になる少し前、優真が復活した。

 前日までの暗い表情が一変して、明るい表情になっていて、嬉々として将来は保育士になると言い始めたのだ。

 今まで私に素っ気ない態度ばかり取っていたのに、急にそんな態度になったことを、何も知らないクラスの友達が怒り始めるけど、そんなことはどうでも良かった。

 優真が復活してくれたことだけが、私にとって嬉しくて3年ぶりに「夕食を家で食べないか?」と誘ってもらえたことが、私を幸せな気持ちにしてくれた。


 だから、その日初めて私は、自分の意思で優真に嘘を吐いた。


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