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「そういえば結構遅かったね? どこで道草を食べてきたんだい?」
万里華達が帰ってきた後、ここにいない優真を除いた全員でクレープを食べていると、一人クレープを早く食べ終えた女神が、隣に座る万里華に詰め寄った。
「いや~すいません女神様。クレープ屋さんが行列で並んでまして~」
「へ~人がたくさん並んでいたら、ファルナちゃんの着ている服が変わるのかい?」
「あ……あはは……、いやだってローブの中、合わない服しか着てなかったんですよ! 可哀想じゃないですか!」
万里華は必死に言い訳するが、女神は騙されなかった。
「違うだろ~? ファルナちゃんのことも少しは考えていたみたいだけど……本当の狙いは違うんじゃないか? 君のアイテムボックスがどこに通じているのか忘れた?」
女神の向ける「何が言いたいかわかってるよね~」と無言で語りかけてくる目を見て、万里華はため息を吐いた。
「…………女神様も人が悪いよ~」
「人じゃないし~、女神だし~」
「……はいはい。それで? 今日の晩御飯なにを作ったら優真に黙っててくれるんですか?」
「話が早いね~。そうだな~、今日はトンカツを所望するよ!」
「りょ~かい。というわけで今日は私が晩御飯作るから、シルヴィちゃんはゆっくりしといていいよ。女神様の舌を唸らせる料理の腕前をとくと見たまえ」
万里華はクレープを美味しそうに食べていたシルヴィにそう言うと、残っていたクレープを食べ終えてから席を立った。
「わ……わかりました! 食材があるところは……」
「知ってる知ってる! その食材用意したの私だし」
「え? あれマリカさんが用意したんですか?」
「うんうん。女神様がここに泊まるから食材置いといて~って言ってきたからね。まさか優真達が住み着くとは思ってもみなかったよ」
そう言った万里華は食料の確認と下ごしらえをするために、部屋から出ていった。




