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16-4


 アオイ(彼女)の対応に困っていると苦笑しているキョウが俺の方に耳打ちしてきた。

「すいません優真様。彼女は憧れの人を前にして緊張しているみたいです」

「憧れの人って……もしかして俺の事?」

 その言葉に頷く彼の姿を見て、驚きがより一層強くなった。

 俺ってまだこの世界に来て1年も経ってないのに……ああ、眷族だからか……この組織の一員ってことは間違いなく、女神(彼女)の信徒だろうし……。


「我々『救世の使徒』にとって子どもを司る女神様は、心の拠り所でもあったんです。その中でもアオイさんは比較的信仰が強い方で、任務終了後に急いで帰ってきたらしいんです。そしたら既に優真様は帰った後で、地下街も半壊の状態で……そこで他のメンバーから、事のあらましを聞いて、滅びの日から自分達を救ってくれた英雄として優真様を尊敬しているんですよ。あの人、『救世の使徒』設立当初から、いつかこの腐った世の中を女神様が遣わせてくださった眷族様が変えてくださると信じてましたからね」

「……いや、俺は平和に暮らしたくてこっちの世界に転生したはずなんだけどな~」

「転生というのが何かはわかりませんが、優真様が我々を救ってくださった事実は変わりませんし、アオイさんも人前ではしっかりしている方ですから、安心してください」

 結局、俺はキョウ君と回ることになり、一緒に行きたそうな顔をしているホムラは、アオイにリーダーとしてやるべきことが終わっていないということで、連れていかれた。


 ◆ ◆ ◆


 この地下街は上にある町の半分くらいの広さがあり、その中にある施設はほとんどが子ども達の住居となっていた。

 資金とかはどこから来ているのかとか、よく5年もばれていなかったなと疑問に思うことは多々あったが、一番疑問に思ったことは他でもない彼女のことだ。


「……なぁ、なんでアオイがリーダーをやってないんだ? ホムラを否定する訳じゃないが、彼女の方が人をまとめるのには向いてるんじゃないの?」

「まぁ……確かに人をまとめあげる能力に関しては、アオイさんの右に出る人は『救世の使徒』にいません。ですがホムラさんは、アオイさんでも俺でも敵わないような資質を持っています。だからホムラさんは我々『救世の使徒』のリーダーなんです」

「資質?」

「ホムラさんは天然のスキルホルダーだったんです。だからこそ、救世主様はホムラさんと我々を救ってくださった。自由とはしゃいで捕まった者も多々おりましたが、救世主様についていった者は全員無事でした」

「天然のスキルホルダー?」

 聞き慣れない言葉が聞こえ、その疑問を抱いた時だった。


『昨日から二人がいなくなり寂しくて寂しくてたまらない天使長のミハエラ、出番を感じて参上です!』

 キョウ君と話していると目の前にタッチパネルが現れ、その文が書かれていた。ストレスでもたまっているのかいつもと少し違うが聞きたいことがちょうどあったのでよかった。

『では、優真様が知りたいことをお伝えしたいと思います。そもそも天然のスキルホルダーとは、優真様の持っている【ブースト】や【勇気】といった能力を、選ばれて得たのではなく、生まれた瞬間から持っている人間のことを言います。

 天然のスキルホルダーはとても希少で、天上の神達は刺客を放ってそういう方を自分の勢力に入れようとしています。女神様もホムラさんが天然の特殊能力保持者(スキルホルダー)であるということは既にご存知なので、引き込もうとしていました』

(要するに彼女はその力があったから女神に認められたって訳か?)

『一概にそうとは言いきれませんが、少なくとも理由の一つであることには間違いないと思われます』

(まぁ、女神(あいつ)には女神(あいつ)なりの考えがあるんだろうし……俺が巻き込まれなきゃなんでもいいや……)


 絶対に巻き込まれるとわかってはいても、例えどんなに無理なお願いであっても、そう願うことしか、今の優真にはできなかった。

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