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15-30


「どこ向かってるの?」

 ファルナが俺の腕に抱かれた状態でそう聞いてきた。

「ファルナを大人しくさせたら真っ先に連れていくって約束した相手がいるんだよ」

 そう言いながら、俺は避難所の方へと向かった。


 タッチパネルに出てきた道順を辿り、避難所につくと入り口の前でシルヴィとシェスカが立っていた。

 その近くには、白い翼が見えなくなっている万里華の姿もあり、俺は3人の方へと歩を進める予定だった。

 すると急にファルナが暴れ始めて、俺の腕から落ちてしまう。心配して声をかけようとしたのだが、ファルナはすぐに起き上がり、俺の後ろに隠れてしまった。


「……どうした? シェスカも心配してたんだぞ?」

「会えない……シェスカ……怒ってる……」

「はぁ? そんな訳……怒ってそうだな、あれは」

 二人が見たシェスカは、頬を膨らましながら、こちらに無言で近付いていた。その表情は確かに怒ってるようにしか見えなかった。

「でもまぁ怒るだろ。いきなり自分の顔を見て隠れられたら、不機嫌になるのもわからなくはない。という訳でちゃんと謝っとけ」

 優真は、後ろに隠れていたファルナを、無理矢理前につきだした。戸惑いながらもファルナは、未だに無言で近付いてくるシェスカに謝る。だが、シェスカは歩みを止めようとはしなかった。

 そして、ファルナがもう一度謝ろうとした瞬間だった。

 いきなり涙を目に貯めたシェスカが勢いよく抱きついた。

「ファルナお姉さ~~ん! 無事で、無事で良かったよ~! 心配したんだよ!」

 シェスカは、ファルナが無事だったことを泣きながら喜んでくれていた。

 その姿を見たファルナも、目に涙を溜めて大声で泣き始めた。


 俺は二人の邪魔をしてはいけないと思い、シルヴィと万里華の近くに来ていた。

 シルヴィと万里華は二人の様子を見てもらい泣きをしており、手拭いで目から流れ落ちた涙を拭っていた。

 その光景を見ていると全力で頑張って良かったと思えた。


 ◆ ◆ ◆


 それから、キョウやホムラには暴れる彼女を眷族にした旨を伝えた。すると、意外なことにすぐ受け入れてくれた。

 どうやら彼らは、悲劇に見舞われた挙げ句、信仰していた神に見捨てられ、化け物と化してしまった子どもに俺と子どもを司る女神が救いの手を差し伸べたと思っているらしい。

 まぁ……あまり間違ってはいないんだが、……まぁ余計なことを言ってファルナに反感をもたせる訳にはいかないから、黙っておこうと思う。実際かなり悲劇に見舞われているようだし。

 これは戦いの後、女神に聞いたことなんだが、ファルナの村は悪い人間達に滅ぼされたらしい。神獣族の白虎族は、ファルナ以外全滅なんだそうだ。

 村を守れなかったことがファルナを永久追放にするという主な理由らしい。

 それでもファルナは自分の内で暴れる獣を数週間の間だけは抑えられていた。だが、それも限界だったということだろう。


 今回の被害報告だが、地下の町は中央の辺りがほとんど跡形もなく壊されていた。軽傷者は数人いたらしいが、死者や重傷者は一人もいない。

 これは、万里華やキョウ、ホムラが避難誘導をしてくれていたお陰だろう。

 ファルナの正体に関しては、誰も突っ込まなかった。

 ファルナの正体を知っているのは、ホムラとバートラム博士のみで、その二人以外は俺が大きなモンスターを自分達のために倒したということになっているらしい。


 そういう経過を経て、俺達は自分達の家に戻った。

 ファルナと万里華と女神の3人を家に招き入れ、かなり遅めの食事をとった後、タイミングがいいのか悪いのか、俺の体は重力に耐えきれなくなり、部屋に戻った途端、ベッドに倒れ込むように眠ってしまった。


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