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その声を放ったのは剣を腰に携えた少女二人を率いた優真より若い10代後半くらいの明るい茶髪の少年だった。
「……まためんどくさそうなのに絡まれた……」
その少年は優真の方に怯えもせずに堂々と歩いてくる。
「その幼子を離せ悪党! お前は完全に包囲されているぞ!」
その少年は臆せず言い放ち、いつの間にか自分達を囲んでいた若者達が剣を引き抜き、俺の方に向け始めた。
彼らの服装は暗い緑で統一された軍服のようなものだった。そして、女性の姿は少年の斜め後ろに立っている二人しか見当たらなかった。
俺を蔑むような目で見ていた者達は、剣が引き抜かれたあたりで、恐慌状態に陥り、一目散に逃げ出した。
(あれ? もしかして俺が怒られてんの? ……まぁ、何も知らない奴らからしたら仕方ないかもしれないか……)
「悪いんだけど見せ物じゃないんだよね。お互いに怪我をしたくないだろうし……さっさとどこかへ行ってくれると助かるんだけど……」
俺はできるだけ穏やかな口調でそう言ったのだが、予想通りというかなんというか、彼らは引き下がらなかった。
「怪我をするだと? こちらは全員が武装している。お前が変なことをした瞬間、首と胴体は永遠に離れたままだと思え!」
面倒だなぁ……万里華とシルヴィに攻撃されたら【勇気】は発動しないんだろうし……こいつらの言ってることも間違いではないし……要するに見解の相違ということなんだろう。そんなので殺し合いをするのも違うと思うし……穏便に話し合いで済ませるか。
「なぁ優真君……彼らはいったい何の権利があって私と君のスキンシップを邪魔してくれてるんだ?」
他の人に聞こえないよう小声で話しかけてくる女神に対して優真も小声で対応する。
「はぁ……主にあんたがふざけすぎた結果、正義感の強い彼らが関わって来たんだろ」
「へぇ……せっかく君の思い人だった幼なじみを連れてきたというのに……君は私に対してそんなことを言うのかい?」
「まぁ言いたいことは色々あるが……せめてタイミングを考えてほしかったよ……お陰で今日は修羅場になる予感しかしない」
「あのまま静観してたら君たちの間に入る余地がなくなってしまうだろ? まだやっていない今日が最後のチャンスだったかもしれないんだから仕方ないじゃないか!」
「まじかよ……」
「おい! ひそひそとさっきから何を呟いている! いい加減、その幼子を離せ!!」
女神と話しているとさっきの少年が大声で割り込み、額に筋を立て始めた。




