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14-14

 いきなり優真に抱きついてキスをし始めた万里華の行動にシルヴィは硬直し、優真は何がなんだかわからず、頭が追い付かず混乱し、されるがままになってしまう。

「やっと優真と恋人になれるよ……この時を半年間……ううん……10年間待ってた……」

 顔を優真から離した万里華は艶やかに微笑む。


「……ファーストキスはシルヴィさんに奪われちゃったけど、優真の初めては私がもらうから」

 万里華がシルヴィに向かってそう言うと、その細く白い腕は優真の下半身へと向かっていく。

「駄目~~っ!!」

 顔を真っ赤にしたシルヴィは、万里華を優真から無理矢理引き剥がしにかかる。

 万里華の方もそれを望んでいたのか、それは思いの外あっさりうまくいった。


 そんなこんなで口喧嘩をし始める万里華とシルヴィ、そのうち、聞いているこっちがこそばゆくなってくるほどの発言をし始めた。


「いや~両手に華だね~」

 万里華の神様という発言でようやく思い至った。声や身長、胸囲といった様々な要素が幼くなっているが、このふざけた行動や言動を忘れられるはずがない。

 この少女はここ数日連絡が取れなかった女神だ。


 幼い見た目の女神がそんなことを言ってくるのを、耳で聞き流しながら、いったいなぜ万里華がここにいるのかを考えていた。

 とりあえず見た目やもろもろツッコミたいところは多かったが、一番聞きたいことは他にあった。


「なぁ……なんでお前と万里華がこんなところにいるんだ?」

 その質問に女神はにやりと笑う。

「……どうしてだろうね~?」

 その瞬間、今まで散々迷惑をかけられ続け、その勝手気ままな性格に振り回されていた優真の何かが切れる音がした。

 優真はにやにやしながらこっちを見てくる女神の頭部を鷲掴みして立った自分の目線より高い位置まで掴み上げた。


「ぎゃぁぁ! なにしてくれてんのさ優真君! 君はこんな超絶可愛い幼女に暴力を振るう人間じゃなかったはずだ! 目を覚ませ!!」

 女神は必死にもがくが、優真の腕と表情は微動だにしなかった。

「ああ……女神(あんた)のお陰で目を覚ましたよ……最近は感謝することもあったが……そういえば俺はいつかお前と再会したらおもいっきり殴ろうとしていたということをな……俺の怒りを和らげるためのコスプレがしたいのかは知らんが……歯を食い縛ろうね」

「いやちょっと待って!! お願いします! 少しだけでも話を聞いてください!」

「まぁ……聞きたいことはこっちもたくさんあるんだ……ふざけないという条件でなら話を聞いてやらんでもない」

「そ……それは保証しかねる」

「了解だ……今から凄惨な血の飛ばし方という実験に協力してもらおうかな? 少し痛いかもしれないけどーー」

「ちょっと優真!? 何やってんの!? 神様に何かあったら私天界に強制送還させられてミハエラ先輩に怒られるじゃん!」

「大丈夫大丈夫……あの人ならこれくらい黙認してくれるって……先輩?」

 万里華の言葉に疑問を抱いた優真は、万里華に話を聞こうと振り向こうとした時だった。


「そこまでだ!!」

 そんな言葉が優真に向けて放たれたのだった。

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