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「しまっ!?」
刀が砕けたことで動揺する優真の腹部を『鉄拳』ベラキファスの重い一撃が襲う。
動揺して動けないでいた優真には、防御力を上げて防ぐことも、スピードを上げて避けることも出来ず、ただ勢いのまま、壁に叩きつけられた。
「ユーマさん!?」
シルヴィは急いで壁に激突した優真の元に駆け寄り、出血している優真の腹に自分の着ている服を裂いて止血を試みる。
白い生地はすぐに赤く染まっていき、シルヴィの顔は青ざめていく。
どんなに無事でいてほしいと願っていても優真は動かない。
そんな二人の姿を見たベラキファスは高笑いを始めた。
「B級程度の冒険者に圧勝だったと聞いていたが、所詮はこの程度……足が速いだけの雑魚が調子に乗りやがって!! こっちはな、お前のしょぼい武器と違って鉄の神様が加護を与えてくださった鎧なのだ!! 駆け出しと帝国の将軍、武器の性能や経験の差からして貴様のような雑魚とは違うんだよ!」
ベラキファスはそう喚きながら優真の方へ近付いてくると、側で止血していたシルヴィの腕を取って無理矢理立たせ始めた。
「こっちはお前達にこれ以上時間を割くわけにはいかないのだ! 死人に構ってないでさっさと行くぞ!!」
「嫌っ!! 離してっ!!」
「お姉ちゃんにさわるな~!」
嫌がるシルヴィを無理矢理連れていこうとしているのを見たシェスカは、近くに置いてあった棒きれでベラキファスに向かって突撃する。
(ちっ……何もしなければ怪我もせんかっただろうに……)
木の棒で何度も鎧を叩いてくる少女を鬱陶しく思い、腕で払い除けようとした時だった。
突如、払い除けようと動かしていた左腕が動かせなくなった。
何かに掴まれている感覚がしたため、自分の左腕を見てみると、そこには頭から出血していた黒髪の青年が目を尖らせながら、ベラキファスの左腕を掴んでいた。




