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7話 異空間


 階段を降りると、白で塗装された廊下が広がっていた。

 左右どちらにも道が続いて、終わりが見えない。


 「まずは、右に進んでみるか」


 靴は履いていないので、ぺたぺたという音だけが響く。

 同時に、扉と淡い光を放つ照明が左右交互に設置されている。

 永遠と思えるほどに続く扉と照明だけが映る視界。


 右に扉があれば左には照明があり、右に証明があれば左には扉がある。

 俺が寝ていた部屋と同じ造りだった場合、二十畳ほどの大きさになるだろう。

 その場合、暫く歩いてみただけでも左右10以上の扉を通り過ぎた。


 「ネロって人が、この豪邸の所有者なのか……?」


 ぺたぺたと音を響かせながら歩き続ける。

 そして、先程から左右10以上の扉を通り過ぎた頃。

 遠目で突き当りが、この廊下の終わりが視認できた。

 だが、左右10以上の扉があることは容易に想像できる。


 「……待てよ、突き当り? それって、つまり……まだ廊下が続いてるってことだよな?」


 希望が一瞬で絶望に変わり、急に足取りが重くなる。

 だが、進まなければなにも起こりはしない。

 変えようとしなければ、変わることがないものもある。

 そんな理不尽で残酷な現実を、俺はあの森で突きつけられた。


 「気を取り直して、行くか」


 俺は再び、長く続く雪のように白い廊下を歩き初めた。

 生活音などは聞こえず、ただ俺の足音だけが響く。

 扉と照明が延々と視界に映り続け、精神に異常をきたしそうになる。


 そんなことを考えながら歩いていると、照明よりも明るい光が目に入った。

 淡い光などではなく、蒼穹を照らす陽光のような、そんな眩い光が。

 俺は明確な変化に高揚していたのだろう、一直線に駆け出した。


 「これ、は……」


 無限に続くかに思えた廊下から抜け出すと、一瞬で視界が開ける。

 あまりの景色の変化に思わず目を瞑ってしまったが、すぐに目を開ける。

 すると、高い天井には眩い光を放つシャンデリアが吊るされている。


 「……まだ階段があるのか」


 ふと下を見てみると階段が折り返しになって下の階に続いている。

 俺は溜息を吐きながら階段を降りると、床に敷かれている真紅のカーペットが目に入った。

 それに気を取られて転げ落ちないように注意しながら、階段を折り返す。

 正面には俺が寝ていた部屋よりも大きく重厚感のある扉があった。


 「少しだけ外に出てみるか」


 俺はカーペットを踏みしめなごら、扉へ向かって進み始める。

 扉の前で立ち止まり、扉に触れた瞬間───突如として無機質な声が脳に響いた。

 

 <『創造主(マスター)』からの干渉(アクセス)を感知……承認します>


 その声に驚愕し動きを止めると、周囲の景色が瞬時に変わった。

 俺は警戒しながらも、周囲の状況を観察し始める。

 

 先程までの白い空間とは打って変わって、薄暗い空間が広がっている。

 そう認識した瞬間、背後から光が放たれたことに気づき、振り返る。

 すると、視界を埋め尽くすほどの大画面から青白い光が溢れ出している。

 

 「これは……森なのか?」


 大画面に映し出されている地図を見て、俺は思わず声を漏らす。

 その光景に目を奪われていたせいか、反応が少しだけ遅れてしまった。

 大画面と俺の間に立っている凛とした少女の姿に。


 「っ……!?」


 急に姿を現した少女に驚き、反射的に身体(からだ)が跳ねる。

 視界に映った少女の姿を見て、俺は言葉を失った。

 彼女の腰辺りまで伸びる新緑色の長髪が、光の反射によって輝きを増す。

 そして、翠玉(エメラルド)のように綺麗な瞳が俺をまっすぐ見据えた。


 <───『創造主(マスター)』、ご無沙汰しております>


 「は……? 何が、どうなってるんだ?」


 俺の反応などお構いなしに少女は頭を下げ、お辞儀する。

 少女はすっと顔を上げると、手慣れたようにパチンと指を鳴らす。

 瞬間、周囲が青白い光に包まれ、空間全体が明るくなった。



探索の末、異空間へ───

最後まで読んで頂きありがうございます!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 北欧神話の知識が豊富なのだということがよく伝わってきました。また、会話メインのストーリー展開はとてもスムーズで読みやすかったです! [気になる点] 時折、誰が話しているセリフなのかが分から…
[良い点] <だって世界樹の前に人がいるのだから。 圧倒的パワーを感じる一文ッ!!! てか家を建てたら城ができるって(笑)
[良い点] 最初は専門用語が多くてびっくりしましたが、ストーリーがとてもテンポ良く進んでいくのであまり気にならなかったです! むしろすごい設定が作り込みがされてるなぁ、、という印象でした! こういうジ…
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