44話 会合
俺はフギンとムニンと一緒に大広間に向かって歩いている。
そして、あの謎の部屋は制御室兼、司令室なんだと。
この家(?)は様々なかつての世界神の城内の部屋があるらしい。
………ってか、ムニンが先程からめっちゃくっついてくるんだけど。
もし、ネロなんかにに見られたらーーーー
「あ! おにーちゃーーーえ? 誰? その娘??」
………なんか、声変わってるんだけど?!
怖い!
「え、え〜と………」
「お久しぶりですね。ネロ………いや、フロー ーーー」
「それは言っちゃダメーーーッ!」
ネロは勢いよくムニンの口を抑える。
今さっきの怖い声は幻聴だったんだな……
うん。絶対そうだ……!
てか、今……ムニン、何か言おうとしてた気がーーー
「ねぇ、ムニンちゃん。ちょっとあっち行こっか」
「え…? いや、遠慮ーーー」
「よ〜し! じゃあ、行くよ〜! お〜!」
そう言って強引にムニンを引きずって行く。
な……なんなんだ?
知り合い、なのか?
「ーーーおい! 待てよ! お姉ちゃんが行くなら、僕も…」
「え? 何で? 私はムニンちゃんに用があるの。フギンちゃんにはないよ?」
また声が……
「ヒィ!」
そうフギンが叫ぶと、こちらをチラチラ見ながら、決心した様に………
「あ……おにーちゃん、これからは大人しくします……」
そう言ってきた。
驚いた声が聞こえていたのかな……?
「あ……あぁ」
「じゃあ、またね、おにーちゃん!」
「あぁ、またな」
まぁ、後から来るだろうし行くか。
それ以前の問題はフギンだな……
ネロの部屋ーーー
「ねぇ、どう言う事かなぁ? ムニンちゃん?」
「あ……あの、えっと………」
ネロに圧をかけられて(脅されて)目がキョロキョロと動く。
「ねぇ、なんで目を逸らすの? ムニンちゃん?」
「え……あ……あの〜……もしかして、ネロ様もテオス様の事が………す、好き……なのですか………?」
「はぁ!? そ、そそそ、そんな訳……な、なな……ないでしょ!?」
図星か、とフギンは思った。
「じゃあ、関係ないですね! では、ネロ様!!」
そして、ゆっくりと部屋を出ようとした瞬間ーーー
「………待って」
ネロがそう告げる。
「!」
ネロの声が変わった事でムニンの体が硬直する。
「じゃあ、こうしよう! ムニンちゃんと私で同盟をーーー」
「ーーー待つのじゃ! ネロ!!」
その瞬間、扉がバンッと音を鳴らす。
ある人物が入ってくる。
その人物は、ルフスである。
「チッ」
小さな声でネロは舌打ちする。
「おい、何をしておるのじゃ? ネロ?」
「あ〜…えっと、その……えっと………おにーちゃんのーーー」
「ハァ……周りに音は聞こえない様に結界を張っているから本音で語るのじゃ、ネロ」
「はい。わかりました」
「え、え? えっ!?」
「ムニンが驚いているじゃろう!」
「あぁ、ムニンちゃん。今、先程までの事は演技なので大丈夫ですよ」
「…………本当ですか?」
「はい、本当です」
「ーーー本当かの?」
演技は1割だと思うのじゃがーーーと言う言葉をぐっと堪える。
「どうかしましたか?」
「いや、何でもない。では、早速……話し合いをするかの?」
「そうですね。で……貴方がここに居ると言う事はあの梟はアーテルだったのでしょう?」
「うむ。そうなのじゃが……」
「フラーウスやウィリデ、カエルラに連絡がつかない、と……?」
核心をつく様にムニンが言う。
「そうなのじゃ! それに、アルブスもーーー」
「……それは大丈夫」
突然、背後から声が聞こえた。
「!? 何故じゃ、話している声は聞こえない……よう、に…………」
「……“音”を使用し、結界……破る、簡単」
「貴様は……まさか!?」
「久しぶりですね、サリ………いえ、イリス」
「……お久しぶり、です。ネロ様」
そう言って、ネロにペコリとお辞儀をする。
「すいません。さっきの発言についてなんだけど……。何が大丈夫なの?」
そして、ムニンがイリスに向かって問う。
「……アルブスの居場所」
イリスは無機質な声でそう告げる。
「! そうなの?!」
「……うん。イリス、嘘つかない。場所……帝国、宝物庫」
小柄な少女の小さく可憐な声が辺りに響く。
「じゃが、確か……」
ルフスはそう言っているのを横目に、ネロが呟く。
「本当に……大丈夫かなぁ? フギンちゃんーーーー………」
ネロの心配の原因はーーー!?
読んでくださり有難う御座います。




