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【五章連載】ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜  作者: 神威皇華
第四章 海淵神殿編
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186話 救命の弾丸


 もう……限界。

 なるべく、アマルティアに触れられないように立ち回ったけど……。

 服もボロボロで、護身用のナイフは全部使ってしまった。

 あの剣があるけど……出来れば使いたくない。

 どういう理屈かは解らないけど、この余裕の笑み……まだ分身体(ストック)があるように感じる。


 「あら、もうお終い? 意外に弱かったわね、それでも()()魔皇神(エレボス)”の輩下かしら?」


 頭が真っ白になった。

 ───どんな思考回路をしているからテル様の話になるのか、と。

 待って、意味が……解らない。

 何で、そんな話になるの?

 確かに私はテル様の影だけど、その事を一瞬で理解したとでも?


 「まぁ、どうでも良いわ。だって、貴方───これから死ぬもの」


 気がつくと、アマルティアの掌が私の頭に近づいていた。

 その光景を視認した瞬間、体の力が抜けた。

 立つ事すらも維持できなくなり、私は膝から崩れ落ちた。

 なん、で?

 アマルティアの掌が迫って来てから……!!

 

 「何かの、スキルを使った?」


 私がその結論に至る。

 すると、アマルティアは不気味に嗤い、言葉を告げる───


 「さようなら、“夜影神(プルート)”ジャック=ニュクス」


 体の自由が、完全に消える。

 筋肉に力が入らなくなり、魔力すらも操れない。

 残り数分で影を媒介とした【虚影天蓋(モーモス)】も崩壊し始める。

 最後に足掻くことも出来ないなんて……。

 

 アマルティアが持っている武器を見て、私は目を見開く。

 何で、アマルティアが……カルラ様の武器を?

 もしかして、アマルティアの能力は───


 その武器を視認した瞬間、アマルティアの姿ごと消えた。

 それが意味する事を悟り、目を瞑った。

 私は此処で死ぬ、と。


 『ベータ、ふざけるな』


 団長の───苛立ちを募らせた声が聞こえた。

 遂に幻聴まで……立ち上がることも出来ず、魔力も操れず、何もかもが出来ない───無力感。


 刹那、カランッという軽い金属音が聞こえた。

 不思議に思い、私は目を開ける。

 そこには、仰向けで倒れるアマルティアの姿があった。

 胸元には風穴が空いており、血がドパドパと出ている。

 右手には、カエルラ様の槍が落ちていた。

 

 私は目を背けずに、合掌する。

 やっぱり私は暗い世界が心地良い。

 血が出ても、暗いと見えにくいから。

 ある程度の事を隠せる影の世界が好き───。


 私はアルセーヌの行動を封じている【虚影天蓋(モーモス)】を解除した。

 そして、私は少しだけ休憩して【虚影天蓋(モーモス)】の外に出たのだった。

 ───この時の私は、何一つ分かっていなかった。

 アルセーヌが殺したアマルティアは、分身体の1人でしかなかったことに。



まだまだ居るアマルティア───

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― 新着の感想 ―
[良い点] ここまで苦戦させるとはこの女強いなー!? 強い上にしぶといなー!? アマルティアをテオス様に接触させたら何が起こるかわかりませんよ!!!
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