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【五章連載】ディオス・ウトピア 〜神々の王は平穏を望む〜  作者: 神威皇華
第四章 海淵神殿編
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179話 海淵の大渦


 氷塊の破壊、成功!!

 よし、これから先は異流渦隔門海域(オケアノス)の対策だな。

 それを塞いでいた氷塊───渦塞氷塊(スカジ)が爆散したのだから、渦が戻る。

 それらが意味することは、この戦艦が渦に呑み込まれる。

 

 『ラムダ! 団長とテオス様の反応を確認した!!』


 アルセーヌ・デルタからの念話が届く。

 ふむ、そうか。

 ロキも消え、テオス様も戻ってきたらのなら───


 『訊こえるか、“航海神(ニョルズ)”?』


 ───ッ!?

 

 オレは、その人物からの念話に驚愕する。

 それもその筈だ。

 念話を送ってきた人物は───ルフス様のもの。

 だが、何故だ?

 何故このタイミングで……


 『訊こえぬのか? ポセイドン』


 少し圧が掛かった気がして、急いで返事をした。

 

 『はっ、はい! 何でしょうか!?』


 『うむ。これから異流渦隔門海域(オケアノス)に入るじゃろう? そこに儂も入れて欲しいのじゃ』


 ───えっ?


 思考が停止した。

 だが、数秒後に再び動き出し───

 

 『な、何を仰られているのですか!? 此処までご足労して頂く訳には……ッ!!』


 『なら問題ないじゃろう。もう来ているのじゃから』


 ルフス様のその発言の後、念話はプツリと切れる。

 そして、背後に奇妙な気配を感じた。

 オレは直様、椅子を動かしながら振り返る。

 そこに悠然と立って居たのは───


 「ル、ルフス様ッ……!? な、何故!?」


 オレは目前に居るルフス様に、その疑問を投げ掛けてしまう。

 ───あ、やってしまった……。

 オレ如きがルフス様に意見するなど!


 「儂は呼ばれたのじゃ。主様のスキル───【憤怒之魔神(サタン)】にのぅ。そろそろ渦が海面に現れるぞ、集中せよ」


 ……そう、だった。

 オレの目的は、テオス様を“海淵神殿(アトランティス)”へ連れて行く事だ!!

 

 そう考え、椅子を動かして正位置に戻る。

 そして───必要最低限の情報電子版(データモニター)を複数展開する。

 キーボードもついでに出現させる。

 キーボードは片手で打てるように、縮小している。

 さて、問題はここからだな!!


 オレは、戦艦専用の結界を張る準備をする。

 その為に、キーボードを使ってコードを打てるように手を添える。

 それを片手間で行い、周囲の確認も忘れない。


 コード、コード……何だったか?

 ───思い出したぞ!!

 意味が全く解らなかったから、忘れていた。

 特殊結界展開暗号(コード)、入力開始───!!

 1:『I love you everything, I'm jealous of everything around you』。

 2:『Can you love such an existence?』。

 3:『If you say you can't do it, I give up』。

 4:『Because I want to respect your feelings』。

 5:『But if I could start over, I'd say it again』。

 6:『I love you』。

 よし、間違えずに入力できたぞ!

 大変だった!!


 オレはそう思いながら、エンターキーを押す。

 直様、変化は起こり───戦艦は正六角形が多重に結合した球状の障壁(シールド)で覆われる。


 その文章を見て、ルフス様は静かに呟く。

 

 「これは、誰の言葉じゃ? この世界では見てない文字じゃが、なぜこの文章を……? この文章は、まるで恋文───」


 ルフス様の声を遮るように、戦艦が揺れる。

 否、海面が揺れたのだ。

 ようやくか、異流渦隔門海域(オケアノス)ッ!!


 オレは、これから起こる様々な未来を想像する。

 その影響で、心が跳ねるように躍っている事を知覚した。

 そして、戦艦はゆっくりと大海の中心の渦に吸い込まれ、この世界から消えた。

 ───正確には、深海と謂う“世界”へ移動したのだ。



ようやく“海淵”へ───!!

最後まで読んで頂き有難う御座います!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 何だろう……複数の因果が収束して、物語がシンプルにまとまっていってる気がしないでもない……!!! 色々あるけどテオス様をアトランティスに連れていけば何かがあるんだ……!!! この世界では…
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