178話 太陽神の御業
『これで良いのじゃろう、アマルティア?』
そう問うのは、灰色の髪に狂気を宿した瞳を持つタンタロス。
そして、その問いに答えるのは───先程、リルに殺されたアマルティア。
「えぇ、ありがとう」
アマルティアは上部だけの笑みを見せ、タンタロスに感謝の言葉を伝える。
『当然のことをしたまでじゃ───』
此奴らの会話を聞くだけで、耳が腐ってしまいそうじゃ。
早く帰る為に、もう声をかけても良いじゃろう。
自らの精神世界に侵入されても気付かぬのじゃ、愚かとしか言いようがない。
「やっと、見つけたのじゃ」
「『……ッ!?』」
儂の声を聞いた2人が、驚愕しつつ警戒する。
警戒と言っても───周囲を見渡しているだけじゃがな。
「並列存在から連絡が来たと思ったら、このようなことになっておるとは……。よくも儂の可愛い妹に、手を出してくれたのぉ〜?」
儂はそう告げ、2人───アマルティアとタンタロスの前に姿を表す。
最悪の場合を想定して、【神魔武装:無神論】を顕現させることも視野に入れておかねばならぬ。
じゃが、それ以上に───家族に手を出されて怒らぬ程、儂は寛大ではない。
分身体如きに、この力を見せたくは無いが───そうしなければ撃退できぬのも事実。
儂は、アマルティアとタンタロスに向かってスキルを使用する。
「───【 陽核熱爆縮咆哮】」
指先に恒星を縮小したようなものが現れる。
それは、世界に破滅を齎らすもの。
儂のスキルは、リルの奴よりも攻撃に特化しておる。
まぁ、今回は簡易版じゃがな……。
時が止まったかのように、世界が黒く染まった。
そして、青・紫・赤・白などの光の粒子が高速で移動し───環を描きながら、儂の袂へ向かってくる。
それらを、指先で収束する。
目でそれを確認しつつ、風属性魔法の『浮遊』を使用して主様とリルの2人を自らの背後へと運ぶ。
さて───朽ち果てるがよい。
儂はそう思いながら、それに脳内で指向性を与える。
すると、自らの体の一部であるスキルは、儂の思うまま自由自在に動く。
アマルティアとタンタロスに向かって、虹色の光の奔流は進む。
『アマルティア!! 貴様だけでも、この精神世界を逃れ───……』
迫るエネルギーの威力を想像して、タンタロスはアマルティアの肩を掴み、突き飛ばす。
「───え?」
タンタロスの抵抗も虚しく、その光の奔流は規格外過ぎた。
突き飛ばした距離よりもその光線の直径は大きかった。
そして───2人の存在は溶けるのではなく、蒸発した。
はぁ……アマルティアの分身体、意外に脆かったのじゃな。
分身体ならば、【紅蓮神炎】だけでも良かったのぉ〜。
今更、後悔しても遅いがのぉ……。
次からは鑑定して、相手の情報をしっかりと得た上で対処するとしよう。
ルフスは、テオスとリルの2人を見つめながら今日の反省会をするのだった。
超有能バハムートさんの脳内反省会───!!
最後まで読んで頂き有難う御座います!
「面白い」 「次の話が気になる」と思って頂けましたら、下の☆☆☆☆☆から応援宜しくお願いします!
感想やいいね、ブクマ登録などして頂けると嬉しいです!




