174話 氷塊の破壊
よし、エネルギー充填完了。
それに、団長もテオス様も戻ってきたようだ。
テオス様に掛けられていた洗脳が解けたのだろうか……?
いや───今は、こっちに集中しなければ。
“海帝神”カエルラ=ティアマトには許可を出して貰えているが……。
“氷晶”スネグーラチカ・パイに怒られないと良いな。
オレは、そう考えながらもキーボードに触れている掌を動かす。
少しずつ情報が収束され、纏め上げられていく。
よしっ!
これで、放てる。
いくぞ───発射ッ!!
そう念じながら、オレは情報が完全に整理整頓されたスキーズブラズニルの機構に繋がっているキーボードのエンターキーを押す。
漆黒の戦艦が、今───動き出す。
戦艦の主砲に、血管や網目のような青白い光が流れ出す。
その先端部分には、エネルギーが溜まり始めている。
オレは、それを確認すると───操縦室の全ての画面に魔力を流し、連携させる。
そして───その制御装置を無効化する。
主砲以外も使わないと、いけないんだ!!
速く……オレに、使わせろッ!!
その思念を、自立型意識へと伝える。
承諾されたのか───支配権と使用権の使用不可設定が消失していた。
よしっ!
これで、今度こそ……大丈夫だ!!
オレは、直ぐに正面の大画面に映る渦塞氷塊を見る。
そして自立型意識に、渦塞氷塊の1番脆い箇所を探ってもらう。
その結果は渦塞氷塊の表面と出た。
すぐにその中心に方向性を合わせて、標準指定する。
間髪入れずに、艦砲全てをその位置に向ける。
「───穿てッ!! “天滅神壊帝光芒”!!!」
艦砲全てから放たれた光線は───その一点で、収束されている。
主砲から少し離れた地点で、全てのエネルギーが融合される。
それらのエネルギーの密度は衰退を知らない。
それ故、密度は上昇し続ける。
最初のエネルギー源は太陽光。
それに圧縮と爆発を永遠のように繰り返し───密度を上げ続ける。
その密度を保ったまま、全ての艦砲に送り込む。
“天滅神壊帝光芒”を放つ時、その密度は再び膨張し始める。
『この力は───使うものが違えば、世界がコンマ数秒で滅ぼされるのじゃ』と、アルブス様が言っていたのも頷ける。
オレが使って、この密度。
もし“神帝”様が使用していたら……そう考えるだけでも、身の毛がよだつ。
その一点で融合され膨張したエネルギーは、光が屈折するように指向性を持つ。
青白いその光が、渦塞氷塊に当たる。
その表面は刹那の内に赤く染まり、白煙を出しながら溶ける。
そして一瞬で貫通し、海へ到達した。
その瞬間───ドカンという轟音と共に、水蒸気爆発が起こった。
それと共に、渦塞氷塊が砕け散り、海に沈む───だが、その余波で津波が起こる。
ことの顛末を見届けたロキが「ふっ……」と笑い、姿を消す。
実際には、影を使用して“ある場所”に向かったのだが、それはまた別の話だ。
ロキが向かった場所とは───!?
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